ベルギーの消費者団体「Test Achats」は昨年7月に専門サイト「ピノキオ製品」を立ち上げ、誇大表示やうそつき製品をリスト化する活動に注力している。このほど1年間の活動状況をまとめ、8月末現在、50件近くの製品を取り上げたと報告した。メーカーや販売事業者に改善を要求し、一部の製品は販売中止になったという。

サイト名は、うそをつくと鼻が伸びるピノキオの童話にあやかった。Test Achatsは昨年から誇大・虚偽表示の監視を強化。健康的な効果をうたう食品や科学的根拠のない表示をする製品など約50件をリスト化した。1年間の活動状況については「偽装品との戦いが実を結び、一部が表示の改善や販売中止につながった」と報告した。製品ごとに事業者の回答書も公開しているという。

リスト化された主な製品は「全粒小麦粉で作った」と表示しながら7.9％しか使用していないパフペストリーや「おばあちゃん直伝」と表示しながら乳化剤E464を用いたコロッケなど。「おばあちゃんが自家製コロッケに乳化剤を使うわけがなく、天然由来の原材料で作ったとのイメージを植え付けている」などと指摘している。

Test Achatsは1957年設立の老舗消費者団体で、商品テストを中心に活動を展開する。国際消費者機構（CI）の前身となる「IOCU」の共同設立団体として知られ、ベルギーの首都ブリュッセルを拠点とする欧州消費者機構（BEUC）の創設メンバーでもある。Test Achatsは「今後も消費者への正しい情報提供が行われるよう市場を監視していく」としている。専門サイトの閲覧には登録が必要となる。