【豪州】出会い系Tinder、利用料に5倍の差 違法性を指摘
- 2020/8/20
- 海外
世界最大級の出会い系アプリTinder(ティンダー)の有料版「Tinder Plus」の利用料金に最大5倍の開きがあることが、豪州の消費者団体CHOICEの調査でわかった。利用規約には個人データに基づいて料金が異なることが記載されておらず、同団体は「消費者法に抵触する可能性がある」として、規制当局に苦情を申し立て、調査を依頼したという。
CHOICEの調査では、年齢や性別、セクシャリティ、住所などが異なる60人が参加。実際にアプリに登録して、請求される利用料金を比較した。
その結果、月額料金は6.99~34豪ドルまで約5倍の開きがあることが判明。年齢に重点が置かれている仕組みとみられ、30歳以上の利用者は30歳未満の利用者に比べて平均2倍以上の請求額となった。
請求額が6.99豪ドルと最も低かったのは、30歳未満のクィアの女性。一方、最も高額の34豪ドルを請求されたのは50歳以上のストレートの男性だった。30歳未満のストレートの男性でも13.82~16.71豪ドルと開きがあり、30歳~49歳のクィアの男性では14.99~30.44豪ドルと2倍の開きがあった。
調査結果についてCHOICEは「Tinderが年齢に基づいて価格設定をしていることは知られているが、同じ年齢層内でも価格が異なり、年齢以外の個人データが利用されている可能性がある」と指摘。「個人データを使った価格設定に透明性がないと消費者は不安を感じるし、ほかのサービスとの料金比較ができない」と懸念を示した。
Tinderのプライバシーポリシーを調べたところ、価格を決定する際の個人情報の使用に関する記載がなかったといい、CHOICEはオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)に調査結果を報告し、行政手続きに基づく苦情を申し立てた。消費者法違反に該当するか調査するよう求めている。