【豪州】四輪バギーの死亡事故相次ぐ 10月に安全基準導入へ

主に農家などが使う四輪バギー(クアッドバイク)で死亡事故が相次いでいる問題で、豪政府は段階的に安全基準を導入していくことを決めた。10月11日に第一段階となる基準が適用される予定で、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は消費者向けとメーカー向けの啓発ビデを作成し、事故防止を呼びかけた。

ACCCによると、四輪バギーが転倒するなどして、今年上半期に子ども4人を含む14人が死亡。うち7人はクイーンズランド州で起きた事故で亡くなった。四輪バギーは農場や牧場で使われることが多く、2011年以降、死者は計150人(うち子ども23人)にのぼり、けがで医療機関を受診する人は1日当たり平均6人に達するという。

ACCCのミック・キーオ副委員長は「四輪バギーは地方での生活に欠かせない製品だが、特有の不安定さに起因した事故が相次いでいる」と指摘。経験豊富なドライバーでも事故となるケースがみられ、設計上の安全対策が必要だと強調した。

メーカーの多くが安全基準の導入に反対しているとみられ、キーオ副委員長は「一部のメーカーがわが国での販売を中止すると脅迫したり、基準の導入によりドライバーが安心してしまい、逆に事故が増えるという奇妙なネガティブキャンペーンを行ったりしていることも耳にしている」と吐露。自動車の安全基準を例に出し、死亡事故は今後減っていくとの見通しを示した。

10月に適用される安全基準では、米国のクアッドバイク規格の要件を満たすことを求めたほか、車体が傾く角度の表示、警告ラベルの本体への貼付などが義務付けられる。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る