【英国】想像以上に汚れる室内空気 窓開けが最も簡単で有効
- 2020/8/11
- 海外
新型コロナウイルス感染拡大により在宅時間が増える中、英国の消費者団体which?は8月7日、「消費者が想像する以上に室内空気は汚れているかもしれない」として、実用的な改善方法を紹介した。最善策は窓を開けることで、専門家も「無料で最も簡単な方法だ」と推奨している。
空気汚染といえば屋外の自動車排ガスを思い浮かべる人が多いが、非営利団体グローバルアクションプランが昨年実施した調査では、室内空気の汚染度は屋外大気の3倍以上高くなる可能性があることがわかった。屋外の大気汚染が室内に入り込むとともに、日常生活による汚染が蓄積しやすいことが要因だと指摘する。
室内汚染を研究するヨーク大学のニコラ・カースロー教授は、道路に面した住居では、ラッシュアワー時に窓を開けないことが重要だとする。
一方で、室内での対策も重要だとし、掃除機をかけたり拭き掃除をしたりする時は窓を開け、電気製品や洗剤から放出される化学物質を排出する必要があると強調した。料理やシャワーの時も換気をして、カビ、ダニ、湿気、アレルゲンを外に出すよう呼びかけた。
洗剤は安全かつ適量を使用することがポイント。一部の製品には揮発性有機化合物(VOC)や漂白剤、アンモニアが含まれる可能性がある。敏感な人はスプレー製品はなるべく避け、無香料やアレルギー対応製品を使うこと。同じ個所に複数の洗剤を用いることも「あまりよくない考えだ」(カースロー教授)という。洗剤の代わりにレモンや重曹、酢などの使用もおすすめだが、微生物やウイルスの除去については期待できない可能性があるという。
また、英国人が愛するガーデニングを模して、部屋に観葉植物を並べることが大流行しているが、「室内空気を改善するには膨大な数と様々な種類の植物が必要で、力不足の感は否めない」と指摘。汚染除去よりも癒しと気分転換、ストレス解消に役立ててほしいとした。同様に空気清浄機のHEPAフィルターについても「確かに役立つが、空気清浄機だけに頼るのは禁物。同時に複数の手段を採用する必要がある」と強調した。
最もおすすめの方法は小まめな窓開け。カースロー教授は「戦略的に窓を開けることは、室内空気を改善する最も簡単な方法であり、しかも無料だ」と推奨している。