カナダ、ICPEN議長国に コロナ関連詐欺やAI問題に注力
- 2020/7/21
- 海外
世界65カ国以上の消費者保護法執行当局で作るICPEN(アイスペン)の議長国に、7月1日からカナダ競争局が就任した。任期は来年6月30日までの1年間。新型コロナウイルス関連詐欺対策やAI(人工知能)の安全対策などに注力するとしている。
アイスペンは1992年に設立された消費者保護分野の国際ネットワーク組織で、非公式会合との位置づけ。消費者関連法の取り締まり機関で構成し、国境を越えた不正取引行為を監視するとともに国際的な啓発キャンペーンなどを展開している。日本からは消費者庁や国民生活センターが総会に参加している。
議長国は1年ごとの交代制で、前任のコロンビアからバトンを受けたカナダ競争局が7月1日に就任した。次の議長国も決まっており、ポルトガルが引き継ぐ。
アジア諸国でアイスペンに加盟しているのは日本(1992年)、韓国(1996年)、中国(2006年)モンゴル(2012年)、ベトナム(2013年)、フィリピン(2014年)、インド(2019年、パートナー加盟)。うち議長国を務めたのは韓国(05-06年)のみ。
カナダ競争局は消費者保護をめぐる世界的現状について、「デジタル経済の急速な台頭、加速する技術革新、新型コロナウイルスの世界的蔓延、環境問題、悪質なマーケティング手法など、消費者は新たなリスクに直面している」と指摘。重点課題として新型コロナウイルス関連詐欺やAIの安全な利用環境整備、デジタルプラットフォーム問題、不適正な環境ラベルをあげた。
同局は「COVID-19のパンデミックに伴う経済的課題とオンライン市場の拡大により、我々執行機関の連携がこれまでになく重要になっている。国境を越えて取り締まりるべき問題を特定し、世界規模で消費者保護に取り組んでいきたい」とコメントしている。
■歴代の議長国
2021-2022年 ポルトガル
2020-2021年 カナダ
2019-2020年 コロンビア
2018-2019年 ザンビア
2017-2018年 トルコ
2016-2017年 ドイツ
2015-2016年 イギリス
2014-2015年 スウェーデン
2013-2014年 パナマ
2012-2013年 ベルギー
2011-2012年 コスタリカ
2010-2011年 オランダ
2009-2010年 オーストラリア
2008-2009年 フランス
2007-2008年 チリ
2006-2007年 ポーランド
2005-2006年 韓国
2004-2005年 イギリス
2003-2004年 フィンランド
2002-2003年 オーストラリア
2001-2002年 スイス
2000-2001年 アメリカ
1999-2000年 ノルウェー
1998-1999年 ベルギー
1997-1998年 アイルランド
1996-1997年 カナダ
1995-1996年 オーストリア
1994-1995年 スウェーデン
1993-1994年 フランス
1992-1993年 イギリス