東京医大不正入試問題で返還手続き開始 機構日本が参加募る

東京医科大学の不正入試を巡り、特定適格消費者団体の消費者機構日本(東京・千代田)が受験料の返還義務を確認する訴訟を起こしていた問題で、7月10日に手続き開始決定が下り、機構日本は同日、二段階目の手続きに移行し、参加募集を開始した。手続きに参加すると受験料や願書郵送料などの返還が受けられる。締め切りは9月20日。

東京医大は2017年、18年の医学部医学科入学試験で、女性や浪人生の得点を操作して不利に扱う選考をしていた。機構日本はその事実を明示せずに入試を行ったことを問題視し、2018年12月、消費者裁判手続き特例法に基づく共通義務確認訴訟(一段階目の手続き)を提起。今年3月に東京医大が受験料の返還を受け入れる判断を示し、判決が確定していた。

手続きに参加できるのは受験生本人。提出書類は機構日本ウェブサイトからダウンロードできる。手続きの詳細などは同サイト参照を。問い合わせは03-5212-3066まで。

全国で提起された共通義務確認訴訟は計4件で、うち3件が機構日本によるもの。二段階目に進むのは、この事案が初めてとなる。

■4件の共通義務確認訴訟

  • 消費者機構日本による東京医科大学入学検定料等の返還請求(2018年12月17日提訴)
  • 消費者機構日本によるONE MESSAGE「仮想通貨バイブルDVD」および「パルテノンコース」購入代金の返還請求(2019年4月26日提訴)
  • 消費者機構日本による順天堂大学入学検定料等の返還請求(2019年10月18日提訴)
  • 埼玉消費者被害をなくす会による給与ファクタリング業者ZERUTAへの既払い金返還請求(2020年6月8日提訴)

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