スマホ連携の車、売却時はデータ完全削除を 8割が不十分

英国の消費者団体Which?は6月22日、スマートフォンと連携させた自動車を売却する際、8割近くの人が個人データを適切に削除していないとの調査結果を発表した。中古車を購入する場合も注意が必要で、以前の所有者のデータが残っていると最悪の場合、車を盗まれる危険性があるという。同団体は「現代の車は様々なデータを自ら集めて記録するコンピューター。想定以上にあなたのことを知っている」と指摘。車の売却したり中古車を購入したりする際、自動車システムが初期化されているかを必ず確認するよう呼びかけている。

同団体は今年2月まで、過去2年間に車を売却したことのある1万4079人を対象に調査を実施。その結果、半数以上となる7638人が自動車システムとスマホをBluetoothやUSB経由で連動させており、そのうち79%の人がデータを完全に削除していなかった。さらに、スマホ連携させた人の31%は削除作業をまったくしていないことがわかった。

スマホと連携させた自動車システムには、Wi-Fiのパスワードやスマホの電話番号、メールアドレスなど大量の個人情報が記録される可能性がある。また、スマホに入れた車用アプリのデータが残っていると、位置の追跡やドアのロック解除、エンジンの始動などが可能となり、車を盗まれる恐れがあった。

自動車システムを初期化する方法はさほど難しくはなく、Which?は「マニュアルを確認しながらデータを完全に削除すること。あわせてスマホにインストールした車用アプリも削除し、その際は必ずアクセス権を解除することが重要だ」と呼びかけている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 食品ロス・ゼロ川柳表彰式
    食品ロス削減の理解と実践を促すため、消費者庁が毎年実施している「めざせ!食品ロス・ゼロ」川柳コンテスc
  2. 東京都消費生活総合センター
    東京都消費生活総合センターが受け付けた上半期(4~9月)の消費生活相談件数は1万3830件と前年同期c
  3. 全日本トラック協会Gマーク制度
    国土交通省は12月17日、全日本トラック協会の「Gマーク(安全性優良事業所)」認定により、2024年c
  4. 国民生活センター
    ◎迅速解決3カ月めざす 制度の活用も呼びかけ 早期に消費者紛争を解決する国民生活センターの「ADRc
  5. キユーピーマヨネーズ100周年
    キユーピーは12月2日、2025年に「キユーピー マヨネーズ」が発売100周年を迎えるにあたり、記念c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る