【豪州】銀行のコロナ対応を格付け 意見広告掲載へ募金活動
- 2020/6/15
- 海外
豪州の消費者団体CHOICEは5月下旬から、銀行の新型コロナ対応を格付けするキャンペーンを展開している。多くの人が収入の急減に直面する中、ローンの支払い猶予や利子の軽減といった消費者支援策を評価する。集計後に全国紙で公表する方針。現在、意見広告費を調達するため、募金活動を展開している。第一目標としていた6千ドル(約44万円)が集まり全国紙への広告出稿が確定し、第二目標となるオンラインニュースへの出稿を目指して更なる寄付を呼びかけている。
同団体は4大銀行を対象に格付けを実施。ローンの返済に困った人への支援策をスコアカード形式で公表し、各行に改善を促したいとしている。ローンの返済猶予や長期債務の免除、クレジットカード利息の減免などの状況を調べる。
集計結果をメディア広告の形で公表する計画。募金活動により、全国紙への出稿料6千ドルをすでに達成し、オンラインニュースサイトへの出稿を目指し、第二目標として1万1000ドルの調達を目指している。最終目標の1万5000ドルに達した場合、フェイスブックやツイッターなどSNSへの出稿も行い、新型コロナ禍の銀行の取り組みを広く周知したいとしている。
CHOICEは「銀行業界は一時的な救済策を発表したが、まだまだ不十分だ。4行への聞き取り調査の場では、他行と比較されることを懸念し、すでに利息の猶予を打ち出した銀行も出てきている」と強調。「スコアカードは良い取り組みを行う銀行を称賛し、不当な貸し手には恥をかかせることになるだろう」とコメントしている。
オーストラリア4大銀行とは▽ナショナル・オーストラリア銀行 (NAB)▽コモンウェルス銀行 (CBA) ▽オーストラリア・ニュージーランド銀行 (ANZ)▽ウエストパック銀行 (WBC)の4行をさす。長きに渡る寡占により改革の遅れが指摘されていて、CHOICEによる今回のキャンペーンでは、抜本的な改善や消費者救済策を求める署名が2万2千筆を超えていた。