都センター19年度相談 「架空請求」減少も「健康食品」増加

東京都消費生活総合センターが受け付けた2019年度消費生活相談件数は速報ベースで、前年度比2.2%減の2万8752件だった。「架空・不当請求」の相談が4割近く減少したものの、定期購入と気づかずに購入した「健康食品」と「化粧品」の相談が大幅に増加した。同センターは「SNSや動画サイトなどで定期購入の広告を見る機会が増え、よく確認せずに注文してしまうケースが目立つ」としている。

19年度に受け付けた「架空・不当請求」の相談は3919件で、前年度比38.5%の減少となった。「法務省管轄支局」や「訴訟通知センター」などと称するハガキによる架空請求の相談が昨年7月をピークに減少し始めたことが主な要因。同センター相談課は「国や都道府県など全国的に注意喚起が行われたことで相談が減ったようだ」と分析した。

一方、前年度と比べて相談が増加したのは「健康食品」(724件→1333件、84.1%増)と「化粧品」(628件→1021件、62.6%増)。どちらも定期購入に関する相談が増加し、製品別では健康食品が酵素食品、高麗人参茶、ダイエットサプリメントなど、化粧品が乳液、脱毛剤、化粧水などとなった。

「移動通信サービス」も前年度比10.5%増の945件となり、「モバイルWi-Fiのルータが通信障害でつながらない。業者にも連絡がつかない」などの事例が目立った。相談課は「高齢者が仕組みを理解しないまま格安サービスを契約し、うまく使いこなせなかったり、新型コロナウイルス感染の影響でカスタマーセンターがつながりにくい状況になったりしたことが背景にあるようだ」と説明した。

同センターは夏をめどに都内全窓口で受け付けた相談概要を公表する予定。詳細な分析を加えた年次報告書を秋に取りまとめる方針だ。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る