巨人ウォルマート、中古市場に参入 衣類のオンライン販売開始
- 2020/6/5
- 海外
小売り世界大手のウォルマートは5月27日、オンライン古着販売を手掛けるthredUpとの提携を発表し、ファッション分野で中古市場に参入することを明らかにした。すでに通販サイトWalmart.comで販売を始めていて、婦人服や子供服、アクセサリー、靴、ハンドバッグなど約75万点の中古品を取りそろえている。
ウォルマートの発表などによると、thredUpが出品者から商品を預かり、品質の確認や値付けをした後、ウォルマート通販サイトに出品する仕組み。中古品とは言え、購入しても使わなかった「新品」や数回しか使わなかった「新品同様」の製品のみを扱う方針。購入価格35ドル以上で無料配送し、無料返品も受け付ける。「この返品サービスはthredUPの会員にも提供されてこなかったウォルマート独自の特典だ」という。
ウォルマートの中古市場参入はミレニアル世代(インターネット普及時期に育った世代、1980年代以降の世代)の取り込みを狙ったもの。thredUpの調査によると、この世代は中古衣料品への関心が高く、約7割が購入意欲を持っていた。取り扱うブランドもこの世代に標準を合わせ、Champion、Jordache、Levi Straussなど1000近くをラインアップ。プライベートブランドのTime and Tru、Terra&Sky、Wonder Nation、Georgeも取りそろえてアピールする。
ウォルマートのファッションeコマース担当者は「この1年、中古市場に参入すべくパートナー探しを続けてきた。パンデミック禍での立ち上げとなったが、消費者が財布のひもを締める中、手頃な価格の衣料品は関心が高い」とコメント。また、ミレニアル世代は環境意識も高いとし、リユース衣料を武器にウォルマートの魅力を高めたいとしている。