国セン・松本恒雄理事長 AI活用の新たな相談体制構築めざす🔓
- 2020/5/20
- くらし
消費者月間特別インタビュー 国民生活センター・松本恒雄理事長
■感染症便乗商法防止へ/成年年齢引き下げにも対応 ■教員向け消費者教育積極化/AI活用、迅速に情報提供
緊急事態宣言が発出され、新型コロナウイルス感染への防止対策が喫緊の課題となる中、今年も「消費者月間」を迎えた。「豊かな未来へ」をテーマにSDGs(国連の持続可能な開発目標)の推進などを提唱していく。長引く「コロナショック」は消費行動の活動縮小を促し、消費生活を一変させた。「豊かな未来へ」とめざす取組の重要性がいっそう増す中、今年創立50周年を10月に迎える国民生活センターはどう対応するのか。松本恒雄理事長にインタビューし、取組方針を尋ねた。松本理事長は、「悪質なコロナ便乗商法」の事例を公表し、被害防止へ向けた情報提供を継続的に発信するとする。「越境消費者紛争への対応や成年年齢引下げに伴う若年者消費者被害の防止、研修の地方開催の拡充、地方消費生活センターへの支援、さらにAI活用の新たな相談・情報提供体制の構築」など、「コロナ問題も契機としつつ様々な取組を実施していく」としている。
◎コロナ便乗商法に注意を、トラブル事例公表
当センターは今年10月で創立50周年を迎えます。その歴史の中でも今年の「新型コロナウイルス感染症問題」は当センター業務に甚大な影響を与える最大の出来事です。期待の高い基本的業務をきちんと遂行しつつ、消費者や政府・行政からの要請に基づき、この緊急事態に対応していきます。
喫緊の課題はコロナ問題に便乗した悪質商法による消費者被害の防止です。当センターでは2月から速報版を発信し、数次にわたって便乗商法の事例を公表しています。保健所の依頼をかたる事業者から新型コロナウイルスの検査薬を販売するという勧誘や、市の新型コロナウイルス対策室を名乗って個人情報を聞きだそうとする不審な電話、さらに、助成金を配布するという怪しげなメールや感染検査が無料で受けられるという不審な電話など、詐欺まがいの勧誘も目立ちます。これら事例を積極的に公表し、消費者に注意を呼びかけるとともに、給付金トラブルに関して特別の相談体制をスタートさせています。
◎成年年齢引下げに対応、大学教育機関と連携して消費者教育推進へ
若年消費者の被害防止活動も当センターに期待される重要な取組課題の一つです。民法による成年年齢引下げが2022年4月から施行されますが、当センターでは学校の先生方に消費者教育に関する講習を受ける機会を活用していただけるよう働きかけています。
具体的には…(以下続く)
(本紙「ニッポン消費者新聞」消費者月間特集号より転載)
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