新興国と脆弱な消費者の支援を CIがG20加盟国に要請
- 2020/4/17
- 海外
新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により新興国と弱い立場に置かれている消費者が最大のリスクに直面しているとして、国際消費者機構(CI、本部・ロンドン)は4月16日、G20加盟国に支援を要請する共同声明を出した。消費者保護を視点とした感染防止対策を求め、「各国政府がこれを実践することにより、将来的には安全・公正で持続可能な社会へと市場を再構築することにつながる」と呼びかけた。
声明はCIと100国の消費者団体が共同で作成したもの。A4判4枚に渡って要請事項が書かれており、主に「現在必要な喫緊の対策」と「持続可能な社会に向けた消費者保護」を訴えた内容となっている。経済基盤や医療体制が整備されていない新興国と脆弱な消費者が最大のリスクに直面しているとして、G20加盟国に協調的な支援を求めた。
具体的には、すべての消費者が持つ正当な権利として医療、食料、生活必需品、金融、インターネットへのアクセスをあげ、危機下でも公正に提供されるよう要求。便乗値上げ、便乗詐欺、フェイクニュースからの保護や、返済の猶予や低所得者への支援など生活維持策も求めた。
また、新興国を中心に4分の1の国で消費者保護法が整備されていないと指摘し、いまこそ消費者保護を視点とした社会にシフトチェンジするときだと訴えた。医療、健康的な食品、公正な金融、誰もが安心して接続できるインターネットへの投資を行うことが、持続可能な社会と経済の再生につながると強調した。
CIは共同声明文の冒頭、各国消費者団体との共通認識として「危機の真っただ中に信頼を築くことは非常に重要だ。果断で公正で透明な行動をとることは、命を救うだけでなく、将来の信頼をも築く」と記載。強いリーダーシップとすべての消費者の行動が必要だと訴えた。