消毒用アルコール不足に対応 宝酒造、サントリー、資生堂動く
- 2020/4/16
- 企業・商品
新型コロナウイルスの流行により医療機関や高齢者施設で消毒用アルコール不足が深刻化する中、酒造、化粧品メーカーが生産・供給に乗り出すことを発表した。感染拡大防止と早期の終息に向けて物資がひっ迫する医療機関の支援に動く。
宝酒造は厚生労働省からの要請を受けて、アルコール分95度の特定発酵アルコールを供給する予定。月9万リットル(18リットル缶約5000本分)の生産を目指し、厚労省を通じて医療機関や高齢者施設に納入していく。
サントリーは4月下旬から、サントリースピリッツ大阪工場で蒸留したアルコールの一部を医療機関などに無償で提供する。
資生堂は関係省庁と協議を経て、栃木県の那須工場で4月17日から、新開発した指定医薬部外品の手指消毒液(エタノール液)を生産していく。5月以降は大阪工場、掛川工場、久喜工場でも生産を開始し、国内4工場で月20万本(約10万リットル)の消毒液を供給する。同社が生産する消毒液は独自に手荒れに配慮した仕様で、厚労省から受けた承認情報を他の企業にも開示する。
厚生労働省は3月13日、医療機関などを対象に消毒液を優先的に供給する「手指消毒用エタノールの優先供給スキーム」を実施。4月13日までにはアルコール度数の高い酒類や工業用エタノールを手指消毒の代用として認める通知を出すなど、消毒液不足の解消を急いでいる。