消毒用アルコール不足に対応 宝酒造、サントリー、資生堂動く

新型コロナウイルスの流行により医療機関や高齢者施設で消毒用アルコール不足が深刻化する中、酒造、化粧品メーカーが生産・供給に乗り出すことを発表した。感染拡大防止と早期の終息に向けて物資がひっ迫する医療機関の支援に動く。

宝酒造は厚生労働省からの要請を受けて、アルコール分95度の特定発酵アルコールを供給する予定。月9万リットル(18リットル缶約5000本分)の生産を目指し、厚労省を通じて医療機関や高齢者施設に納入していく。

サントリーは4月下旬から、サントリースピリッツ大阪工場で蒸留したアルコールの一部を医療機関などに無償で提供する。

資生堂は関係省庁と協議を経て、栃木県の那須工場で4月17日から、新開発した指定医薬部外品の手指消毒液(エタノール液)を生産していく。5月以降は大阪工場、掛川工場、久喜工場でも生産を開始し、国内4工場で月20万本(約10万リットル)の消毒液を供給する。同社が生産する消毒液は独自に手荒れに配慮した仕様で、厚労省から受けた承認情報を他の企業にも開示する。

厚生労働省は3月13日、医療機関などを対象に消毒液を優先的に供給する「手指消毒用エタノールの優先供給スキーム」を実施。4月13日までにはアルコール度数の高い酒類や工業用エタノールを手指消毒の代用として認める通知を出すなど、消毒液不足の解消を急いでいる。

資生堂手指消毒液

資生堂は新開発した手指消毒液(指定医薬部外品)を月20万本供給する(発表資料より)

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 全相協公開シンポジウム
    ◎「サプリメント形状食品の規制必要」との意見も 全国消費生活相談員協会(全相協)は11月15日、秋c
  2. ニッポン消費者新聞2024年1月号
    特集 健康食品110番に350件超 全相協、シンポジウムで報告 機能性食品は21件 ~c
  3. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  4. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  5. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る