食品の購入、「価格」重視の傾向 11品目すべてで最上位

米や野菜などの食品を購入する際の判断基準として「価格」を重視する傾向が強まっていることが、日本政策金融公庫の消費者動向調査でわかった。価格以外の「鮮度」「安全性」などの判断基準は5年前の前回調査と比べて低下しており、日本公庫は「価格以外への関心が薄れている」と分析している。

調査は今年1月、全国20歳代~70歳代の男女2000人を対象に実施。身近な食品11品目(米、野菜、果物、牛肉、豚肉、鶏肉、卵、牛乳乳製品、魚介類、総菜、弁当類)について購入時の判断基準などを聞いた。

その結果、全品目で「価格」が最上位になった(前回は9品目)。前回調査(15年1月)との比較では、「鮮度」「国産」「国内産地」「味」「安全性」などの判断基準が低下。特に「国産」は牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類の4品目で、「安全性」は米、野菜、牛乳乳製品、総菜の4品目で10ポイント以上の低下となった。同じく「味」は果物、牛肉、魚介類の3品目で前回調査より10ポイント以上低下した。

品目別では、米は「価格」に次いで「国内産地」、「銘柄」の順となり、日本公庫は「購入時に産地や銘柄などのいわゆるブランドも重視されていることがうかがえる」と分析。果物は「国産」よりも「味」が上位になり、「産地情報よりも糖度などの味の情報が購入の判断に影響を与えている」と考察した。

米については、若い世代ほど「価格」を重視する割合が高くなり、高齢世代ほど「銘柄」「国内産地」を重視する割合が高くなった。特に「国内産地」と「銘柄」は年代による差が顕著で、20代は70代の約半分の割合になったという。

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