【豪州】空気清浄機での新型コロナ対策、過信は禁物
- 2020/3/25
- 海外
多くの空気清浄機が「ウイルス除去」などをうたって販売される中、豪州の消費者団体CHOICEは3月24日、新型コロナウイルス対策としての効果は限定的とする検証記事を公表した。「空気清浄機は空気中に存在するウイルスのほんの一部を捕捉するが、ヒトやモノに付着した多くのウイルスに対して効果がない」とし、小まめな手洗いと拭き掃除を改めて呼びかけた。
会員から「空気清浄機は家庭内の新型コロナウイルス対策に役立つか」との質問が寄せられ、これに回答した形。
同団体は検証記事の中で、「空気清浄機が実際にウイルスを捕捉し、除去することができるが、空気中のウイルスのほんの一部にすぎない」と解説。
高性能なHEPAフィルターについては、「0.3ミクロン(=0.3μm)の粒子捕集を主張するが、ウイルスの直径は0.02ミクロンから0.4ミクロンと様々。典型的なコロナウイルスは0.1ミクロンとフィルターの主張を大きく下回る」と指摘する一方で、「粒子は直線ではなくランダムに動きながら移動するため、フィルターに接触して付着する可能性が非常に高い」と説明した。ただし、HEPAフィルター自体に殺菌機能がなく、ウイルスがフィルター表面で数時間から数日間生き続ける可能性があるとした。
一方、光触媒式の空気清浄機はウイルスやバクテリアを捕捉し、光触媒により分解・殺菌することが可能。紫外線(UV)式は殺菌効果があるが、数分間の照射が必要で、吸い込んだ空気が紫外線を数秒で通過する製品では分解されない可能性があるとした。
CHOICEは「捕捉・殺菌する、しないに関わらず、空気清浄機は空気中に浮遊する一部のウイルスを捕捉する製品。人の皮膚や床などの硬い表面に付着したウイルスを捕捉することはない」と強調。不必要な接触を最小限に抑え、人が頻繁に触れる場所を小まめに拭き、定期的に手洗いするよう呼びかけた。