ポイ捨てで発生、河川の全10地点からマイクロプラ 埼玉県

海洋マイクロプラスチックの発生源を探るため、埼玉県はさいたま市と共同で、河川でのサンプリング調査を行った。その結果、東京湾に流れ込む5つの河川の10地点すべてからマイクロプラスチックを検出。ポイ捨てされたプラスチック製品などが発生源である可能性が高いことがわかった。県による調査は今回が初めてで、世界的に見ても河川の調査は珍しいという。

調査は昨年6月、荒川を中心に中川、新河岸川、入間川、元荒川の5つの河川の上下流や本川・支流など10地点で実施。その結果、直径5ミリ以下のマイクロプラスチックをすべての地点で検出した。

マイクロプラスチックサンプリング調査

最も多くのマイクロプラスチックが検出された元荒川(鴻巣市)でのサンプリング調査の様子(2019年6月18日、埼玉県提供)

河川水1立方メートル(1000リットル)当たりのマイクロプラスチック個数が最も多かったのは元荒川の渋井橋(鴻巣市)で20.2個、最も少なかったのは荒川の久下橋(熊谷市)と入間川の落合橋(川越市)で2.2個。プラスチックが劣化した破片状のものが全体の74%を占め、材質別ではレジ袋などに使われるポリエチレン(PE)や食品トレーなどに使われるポリプロピレン(PP)が93%を占めた。

調査した県水環境課は「調査地点をまんべんなく設定したが、すべての地点からマイクロプラスチックを検出した。これは、河川のマイクロプラスチックが特定の工場や地域から発生しているわけではなく、屋外に放置されたりポイ捨てされたりしたプラスチック製品が発生源である可能性が高いことを示している」と指摘した。

海なし県の埼玉では、県民の消費行動が海洋マイクロプラスチックの発生に深く関与していることを啓発する取り組みを展開中。同課はマイバッグ・マイボトルの利用や分別廃棄の徹底、ポイ捨て禁止などとともに「屋外で使われているプラスチック製品は劣化する前に取り替えたり、地域のごみ拾い活動に積極的に参加したりして、環境中で劣化するプラスチックを減らす取り組みを1人ひとりが実行してほしい」と呼びかけている。

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