【豪州】原油急落の恩恵を消費者に 当局がガソリン価格監視
- 2020/3/18
- 海外
国際市場で原油価格が急落していることを受け、オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は3月16日、今後数週間のガソリン小売価格の動向を監視し、消費者がこの恩恵を受けているかを判定すると発表した。ロッド・シムズ委員長は「国際原油価格の持続的な下落がガソリン価格に反映されているかを注意深く調査し、値下げをしていない事業者を特定していく」と発言した。
国際原油価格は今年1月から下落基調になり、2月下旬には下げ足を加速、先週に入って歴史的な急落を演じた。ACCCの調査によると、5大都市(アデレード、ブリスベン、メルボルン、パース、シドニー)の2月中の月平均ガソリン価格は141.1セント(1.411ドル)で、昨年12月から8.2セント低下していた。今後は3月の急落がガソリン価格の値下げにつながるかを注視していく。国際市場の精製ガソリン価格が大都市圏のガソリンスタンドに及ぶまでには1~2週間かかり、地方への波及はさらに時間を要するという。
シムズ委員長は「(新型コロナウイルスの感染拡大により)あらゆる対策を講じて経済を支える必要があるが、原油価格の下落は世界にとって数少ないプラス要因の一つだ」と発言。原油急落を招いた産油国間の減産交渉決裂について触れ、「ロシアとOPECの協調体制の破綻は、この恐ろしいカルテルの影響力の低下が始まったことを示している」と語るなど、価格操作への不快感をにじませるコメントを繰り返した。