スマホの罠、正しい知識で正しく怖がる 都がシニア向け講座
- 2020/2/21
- くらし
スマートフォンの安全な利用方法を学ぶシニア向け消費生活講座が2月20日、東京都消費生活総合センターで開かれた。フィッシング詐欺や偽のショートメッセージなどのサイバー犯罪への対処法を、セキュリティ対策推進協議会(SPREAD)認定情報セキュリティサポーターの籔内祥司さんが解説。「インターネットは便利で楽しく、社会のインフラになっていく。その裏側にトラブルやサイバー犯罪が隠れていることは事実だが、正しい知識を身につけて正しく怖がることが大切だ」と呼びかけた。
消費生活講座「あなたも狙われてる? スマホの向こうに潜むワナ」には約70人が参加。情報セキュリティに詳しい籔内さんがフィッシング詐欺や偽ショートメッセージ、フェイクニュース、SNSトラブルなどを実際の事例を交えて解説し、具体的な対処法を伝授。カード教材を使い、ゲーム形式で怪しいサイトを見極める実習もおこなわれた。
籔内さんは偽の通販サイトについて、「高級ブランド品がありえないほどの安価に売られているサイトは要注意だ」とし、会社情報ページに記載されたメールアドレスや電話番号、住所などに不自然な点がないか確認するよう呼びかけた。
また、SNSに投稿した写真から住所が特定されたという事例を紹介。籔内さんは「風景に映り込んだ建物や標識などの情報をもとに、1時間ほどで撮影場所が特定される。写真を載せる時は非公開設定にして、余計な犯罪に巻き込まれないようにすることが重要だ」と説明した。
そのほか、マルウェア、フィッシング詐欺、架空請求など個人情報や金銭を狙う悪質手口も多いとし、セキュリティ対策の重要性を強調。OSやアプリを最新状態にする▽ウイルス対策ソフトを導入する▽データをバックアップする▽スマホに画面ロックをかけておく▽パスワードを適切に管理する▽個人情報を安易に教えない――などの対策を呼びかけた。SNSで見知らぬ人と勝手につながらないよう設定を見直す、ネット上の情報を鵜呑みにせずに事実を確認する、など身近な対策も重要だとした。
籔内さんはインターネットを使う上で「STOP(立ち止まる)」、「THINK(考える)」、「CONNECT(楽しむ)」の3つの行動を提案。「急かしたり警告したりするメールが届いた時に感情に任せて行動するのではなく、一旦立ち止まり、考える。安全だと確認できればインターネットを存分に楽しむ。ちょっと勉強をして正しく怖がることができれば、インターネット生活が充実したものになる」と語った。