【米国】食品リコール情報、スーパーも周知を 8割が不合格判定
- 2020/2/17
- 海外
食品政策を監視する非営利団体U.S.PIRGは2月12日、食品リコール情報を積極的に周知している大手スーパーが4社しかないとの調査結果を公表した。8割のスーパーが不合格の判定となり、そこにはウォルマート、パブリクス、アルディなどの巨大チェーンが含まれていた。同団体は「消費者にとってスーパーは食品リコール情報を入手する最高の場所のはず。多くのスーパーはウェブサイトやモバイルの最新技術を用いて利用者に広告配信を行っているのに、こうした技術が活用されていない」などと指摘した。
同団体は大手スーパー26社を調査。企業ポリシーや店舗・オンラインの利用規約などを調べ、食品リコール情報に関する取り組みを評価した。
その結果、合格ラインに到達したのはターゲット、クローガー、スミス(Smith’s)、ハリスティーター(Harris Teeter)の4社のみ。不合格となった22店舗(84%)は電子メール・電話での通知体制が不十分だったほか、店内告知においても、カスターマーカウンターやレジ付近、陳列棚、掲示板などを有効活用していなかった。
米国では毎年6人に1人が食中毒になり、12万8000人が入院、3000人が死亡している。相次ぐ大規模食中毒事件ではリコールを開始した後にも患者が発生するなど、消費者への周知が大きな課題となっていた。
U.S.PIRGは「スーパーは危険な食品を陳列棚からいち早く取り除く責任を負うが、消費者の手に渡った食品については取り除く努力をしていない。食中毒事件ではリコール後も患者が発生し続けるパターンを繰り返しており、スーパーが貢献できることは多い」と指摘した。消費者の多くは特定の店舗で食材を買っていて、顧客を追跡できるスーパーは食中毒対策のカギを握る存在だとしている。