通話録音装置、悪質電話に「効果あり」86% 佐賀県調査
- 2020/2/14
- くらし
高齢者の見守り世帯に無償で貸し出した通話録音装置について、利用者の86%が詐欺や悪質勧誘電話に「効果があった」と感じていることが、佐賀県の調査でわかった。県は今後、高齢者世帯などに設置を働きかけ、特殊詐欺被害や悪質電話勧誘トラブルの未然防止を図る方針だ。
県くらしの安全安心課と県警が協力し、通話録音装置を無償で貸し出す「ストップ!消費者トラブル“悪質電話をシャットアウト”」事業を展開。2015年4月から事業終了となる2019年11月までに、およそ950世帯に設置した。電話に着信があると「この電話は振り込め詐欺などの犯罪被害防止のため会話内容が録音されます」との自動音声アナウンスが流れ、通話内容を録音する仕組み。
装置の効果を検証するため県は昨年8月、無作為に抽出した320世帯を対象としたアンケート調査を実施。そのうち206世帯が回答した。
調査では、86%が設置前に比べて悪質な電話が「とても減った」「減った」と回答。不必要な契約をするなどのトラブルについても、96%が設置後は「ない」と答えた。また、92%の人が「引き続き設置したい」と答え、81%が「知人に勧めたい」と回答した。
利用者からは「良かった」「不要な電話が減った、かかってこなくなった」「安心できる」などの感想が寄せられる一方で、「(アナウンスが流れて)待たされると知人に不評」との意見もあったという。
貸与事業は昨年11月に終了したが、装置のほとんどが希望者に無償譲渡され、現在も引き続き活用されているという。県くらしの安全安心課は「悪質な電話勧誘などの被害未然防止に効果があることがわかった。今後は見守り対象世帯だけでなく一般世帯にも周知し、設置を働きかけていきたい」としている。同課によると通話録音装置は1万円前後で入手できるという。