【米国】フロントガラス修理代15万円 安全機能で割高に
- 2020/2/3
- 海外
安全な走行を支援するクルマの安全機能について、米消費者情報誌コンシューマーリポートは1月30日、「修理コストが割高になることが欠点だ」とする記事を掲載した。修理代を押し上げる理由は、安全機能が故障しやすいバンパーやサイドミラー、フロントガラスなどのパーツに搭載されることが多いため。一方で同誌は「修理代を心配するあまり安全機能を搭載しないのは間違いだ」と指摘し、長い目で見れば事故が減少する分、修理代もかからなくなると説明した。
同誌によると、スバル・フォレスター(2017年モデル)の所有者テッド・ヒネさんは、フロントガラスの修理をディーラーに依頼したところ、1400ドル(約15万円)かかるとの説明を受けた。驚いたヒネさんは修理専門チェーンに見積もりを依頼したが、そこでも910ドルを提示された。ヒネさんは「74歳で年金しか収入がない。トラックが石を巻き上げてフロントガラスを割るたびに900ドル以上を支払う余裕はない」と嘆いたという。
ヒネさんの愛車フォレスターには高度運転支援システム「アイサイト」が搭載されており、フロントガラスの内側に2台のカメラが取り付けられていた。そのため、カメラの精度を落とさない高機能フロントガラスに加え、技術者による安全システムの再調整が必要なため、通常よりも割高になったという。コンシューマーリポートによると、多くの安全機能は故障しやすいパーツ(バンパー、サイドミラー、フロントガラスなど)に搭載されていて、軽い接触事故でも修理代が高額になるケースがあるという。
ただし、同誌は「すべてのクルマに安全機能を搭載するべきだ」との考え。自動テスト担当シニアディレクターのジェイク・フィッシャー氏は「交通事故が減るごとに修理代が浮く、という方程式を当てはめると、長期的には安全機能を搭載したドライバーは(コスト面で)有利になる。また、安全機能が深刻なクラッシュ事故のリスクを大幅に低下させることも見逃してはいけない」と指摘した。