天野尚輝さん 聴覚障害者の消費者の権利実現へ 困難点を提示🔓

目白大学社会学部社会情報学科3年生、わたしの提言ACAP理事長賞受賞 天野尚輝さん

「すべてのろう者(聴覚障害者)の意見を盛り込む気持ちで提案しました。今回の受賞は私個人ではなく、すべての障害者はじめ、多くの支援の輪に支えられて得たものと考えています」

ACAP(公益社団法人消費者関連専門家会議)が実施する「ACAPわたしの提言」事業。一般公募された「提言」を審査・表彰する。聴覚障害者としてACAP理事長賞(優秀賞)を受賞した天野尚輝さんは、1月15日の表彰式の席上、「それぞれの状況に応じて障害者が日常生活を送る上での困難点はたくさんある」とし、受賞作品をこう紹介した。「その困難点を聴覚障害者の立場から挙げ、改善策を提言したものです」。

照射問題はいま 天野尚輝さん

「わたしの提言」事業は、「消費者問題に関する啓発活動の一環」としてACAPが1985年から継続実施している。出題テーマにあわせて意見を論文としてまとめACAPに提出する。外部審査員を含む審査委員会が審査し、毎年、内閣府特命担当大臣賞、ACAP理事長賞、入選賞などを選定、優れた作品として表彰する。今回の表彰はその35回目。天野さんの論文タイトルは「聴覚障害者の消費生活における困難点の改善へ向けての提案」。同じ障害を持つ学友たちの聴き取り調査結果も盛り込んだ具体性に富む内容だ。

審査委員会の講評でも
「聴覚障害者が日頃からの不安感や問題点を消費者の8つの権利と5つの責務との関わりから具体的な解決策として提言している」
「これはSDGs(国連持続可能な開発目標)の取組にも通じる」「貴重な気付きを与えてくれる提言」

評価は高い。論文の中で天野さんは「特別支援学校(ろう学校)卒業後のろう者は、多くが進学・就職している。だが、社会人として自立した消費行動の実践が目指されているものの、それを可能とする環境が十分整備されているかどうか…(以下続く)

(本紙「ニッポン消費者新聞」2月1日号より転載)

この記事の続きは以下の会員制データベースサービスで購読できます
ジー・サーチ データベースサービス
日経テレコン

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る