コープ商品、今年は誕生60周年 商品価値を社会に発信へ

1960年にコープ商品第1号となる生協バターが誕生してから60年にあたる今年、日本生活協同組合連合会はロングセラー商品のリニューアルや記念企画などを展開する。記者会見した本田英一会長は「その時々の社会情勢や組合員からの願いを受け止めながらコープ商品が果たしてきた役割を改めて振り返り、未来につなげていきたい」と語った。

日本生協連は「特別な、あたりまえ」をキャッチフレーズに設定し、コープ商品60周年企画を展開する。キャッチフレーズには組合員と「特別」を「あたりまえ」にしてきたという想いが込められており、企画を通してコープ商品の意義や良さを社会に発信し、利用の拡大を図る方針だ。

施策の目玉は大型商品のリニューアル。発売39周年の野菜果実ミックスジュース「CO・OPミックスキャロット」とコープ化粧品第1号で43周年の「コープ基礎シリーズ」をリニューアルし、春に発売する。3月からは全国の組合員が選ぶコープ商品総選挙を予定。コープ商品60年の歴史と価値を振り返る特設ページも開設した。

24日の記者会見で嶋田裕之代表理事専務は、生協バターの誕生秘話を紹介。当時の社会状況について「様々なモノ不足、狂乱物価、食の安全などの問題があり、消費者が商品の原料や中身の情報を知りたいという背景があった」と振り返り、メーカーの管理価格に対抗し安定的に手ごろな値段で供給するため、「必ずしも消費者の意見が通りやすい状況ではない中で、生協の組合員や想いを共有した取引先や生産地とともに先進的な取り組みをしてきた」と語った。

一方、コープ商品の課題についても言及し、30代前後の若者層への対応を一例にあげた。嶋田専務は「就業時の昼食では、スマートフォンを持ちながら片手で食事をするシーンがみられる。ワンハンドで食べられて、なおかつ美味しく、一定の栄養が取れるというコンセプトの商品がコープ商品にはない」とし、「(こうしたニーズに対し)コープとしてどう提案していくのかという切り口がある」と語った。また、人生100年時代を見据え、シルバー・シニア世代向けのシリーズ展開にも注力する考えを示した。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る