明治、アイスに賞味期限 6月から順次 消費者ニーズに対応
- 2020/1/23
- 食品
明治は1月22日、市販するアイスクリームに賞味期限を表示する取り組みを始めると発表した。6月から主力の「明治 エッセル スーパーカップ」シリーズ7品目を皮切りに表示していき、来年4月をめどに全商品に広げる。
アイスクリームは冷凍庫で保存すれば品質の劣化がほとんどなく、食品表示基準の規定で賞味期限の省略が認められている。明治は「アイスクリームの賞味期限に関する問い合わせが近年増加しており、食の安心への高まる期待に応えるための取り組みとして記載することにした」としている。スーパー・コンビニ向け商品としては初の試みだという。
明治によると、全体的な問い合わせ件数が減少傾向にある中、近年、アイスクリームの賞味期限関連の問い合わせが増加傾向にあった。2019年度の問い合わせ件数は17年度比35%増となる見込みで、「賞味期限の記載がないが、いつまで食べられるのか」「保存中に霜が付いてしまったが、食べても大丈夫か」などの質問が多く寄せられたという。また、食の安全・安心志向の高まりを受け、同社の調査では、賞味期限の表示を望む消費者が7割近くいることがわかったという。
アイスクリームへの賞味期限は年月表示で行い、カップタイプの商品は底面に、マルチパック商品は外箱側面と内包に記載する。「エッセル スーパーカップ」の場合、期限を製造から2年(一部商品は14カ月)に設定する。社内での試験・検査データや海外の表示例などを参考にしたという。
賞味期限の設定は食品廃棄につながることが想定されるが、明治マーケティング本部フローズンデザートマーケティング部長の今井丈二さんは「食品ロス対策は製造・流通・消費の各段階で異なるが、メーカーの立場としては製販計画の精度を上げて、できるだけロスを抑制していく形で取り組んでいきたい」と語った。
今井部長は「実際に商品が出回る6月までの期間を利用し、消費者や流通業者に対し、こうした取り組みの重要性を啓発していきたい」としている。真夏の開催となる東京オリンピック・パラリンピックに向け、訪日外国人にも日本のアイスクリームの「安心とおいしさ」や「JAPANクオリティ」をアピールしたい考えだ。