かんぽ不正問題に抗議 全国消団連、つけ込み型勧誘の取消権要求

かんぽ生命保険の不正販売により日本郵政グループ3社が行政処分を受けた問題で、全国消費者団体連絡会(全国消団連)は1月20日、3社に抗議と再発防止の申し入れをおこなった。全国消団連は「消費者被害が郵便局、郵貯の信頼感を逆手にとって引き起こされたことは大きな問題だ」と指摘し、消費者庁に「つけ込み型勧誘」への取消権を含めた消費者契約法の早期改正を求めた。

保険の契約内容や販売ルートが複雑化する中、2014年の保険業法改正では、勧誘・販売を行う保険募集人の「体制整備義務」や「適合性の原則」が導入され、事業者に「意向把握義務」が課されるなどした。こうした消費者保護規制の強化について、全国消団連は「今回の不祥事を見るかぎり、まったく機能していなかったと言わざるを得ない」と強調。郵便局に信頼を置く高齢者の被害が相次いだことについての悪質性を指摘し、かんぽ生命、日本郵便、日本郵政の3社に対し、抗議とともにガバナンス機能の強化とコンプライアンスの徹底を申し入れた。

また、今回の不祥事事案は高齢者らの知識や判断力不足に乗じた典型的な「つけ込み型勧誘」だと強調。消費者庁に対し、今回の被害事例の把握とつけ込み型勧誘の取消権の導入を含む消費者契約法の早期改正を要求した。さらに、日本郵政グループに設けられていた内部通報制度が機能していなかったとして、公益通報者保護法の今通常国会での改正も求めた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る