登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換
- 2020/1/22
- くらし
全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同新年賀詞交歓会を都内で開催し、「業界の希望となっている登録あるいは届出制度の導入について3省庁が初めて会合を持ち、当連合会がヒアリングを受けた」とあいさつ。業界健全化への登録制度導入の必要性を強調した。今年6月には同連盟が会長を担う国際葬儀連盟の世界大会が開催される予定。全葬連自体の創立65周年にもあたっており、「節目の年、改めて社会貢献の気持ちを醸成させていきたい」呼びかけた。
全葬連と政治連盟合同の賀詞交換会は毎年開催されているもので、今年も会場には20人を超える国会議員が参加した。あいさつに立った石井会長は、今年6月に横浜で開かれる国際葬儀連盟世界大会の意義と重要性を説明した上で、業界健全化活動の一環とする「登録制度」あるいは「届出制度」導入の必要性を強調。全葬連の要請をもとに、1月17日に経済産業省、厚労省、消費者庁の3省庁から現状の業界実態についてヒアリングを受けたことを明らかにした。
石井会長は、「登録あるいは届出制度の導入を我々は強く要望してきた。現在、葬祭業には参入規制はなく、異業種参入も目立ち、結果的に消費者被害が拡大する傾向となっている」として、登録制度などの重要性を指摘した。「人を弔う気持ちを大切にする当連合会活動を通して、社会に貢献する活動を展開していきたい」と述べ、節目となる今年には従来以上の多面的な事業展開への可能性を示唆した。
経産省によると3省庁連携した全葬連のヒアリングは、エンバーミングなどの衛生面、契約面などに関する葬儀関連消費者トラブルの実態を把握し、現行法の運用で対応できるかどうかについて情報交流する場として設定したという。第1回目のヒアリング対象事業者団体が全葬連。2回目以降、他団体も対象にしていくとしている。