【米国】クルマの安全機能、呼び方ばらばら 統一を提案

クルマの安全機能の名称が各社で異なり、消費者の誤解を招くおそれがあるなどとして、米消費者情報誌コンシューマー・リポートは1月15日、アメリカ自動車協会(AAA)などと連携して統一名称を考案したと発表した。同日、運輸省の承認を得たという。ただし、採用の判断はメーカーにゆだねられており、同誌などは「運輸省も消費者にやさしい用語の普及に期待を寄せている。業界をあげて採用してほしい」と呼びかけた。

AAAによると、現在、米国で販売されている新車の93%が緊急自動ブレーキ(AEB)や死角警告(BSW)など1種類以上の運転支援システムを搭載している。しかし、同じシステムに対し、最大20種類の名称が使われるなどしていて、消費者が混乱する可能性があった。たとえば死角警告では、「ブラインドスポットインフォメーションシステム」(ホンダ)や「レーンチェンジアラート」(一部のGM車)など複数の名称が使われているという。

また、機能を正確に説明していないケースや、マニュアルとウェブサイトで違う名称が使われているケースもあった。こうした状況について、コンシューマー・リポートは「消費者はどの安全システムがどの車で利用可能なのかを把握しづらく、自分にあった車を購入できないリスクがある」と指摘した。

コンシューマー・リポートはAAA、調査会社のJD Power、非営利団体National Safety Council(全米安全評議会)と連携し、主要な安全機能19種類の名称を考案した。主なものは、Adaptive cruise control(いわゆる車間維持システム)、Lane keeping assistance(いわゆる車線はみ出し防止システム)、Remote parking(車外からの遠隔操作による駐車)など。各種機関は「メーカーや業界団体、ディーラー、メディアなどすべての関係者が同じ名称を使えば、消費者の理解も進み、自動車の販売促進にもつながる」としている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る