【米国】クルマの安全機能、呼び方ばらばら 統一を提案
- 2020/1/17
- 海外
クルマの安全機能の名称が各社で異なり、消費者の誤解を招くおそれがあるなどとして、米消費者情報誌コンシューマー・リポートは1月15日、アメリカ自動車協会(AAA)などと連携して統一名称を考案したと発表した。同日、運輸省の承認を得たという。ただし、採用の判断はメーカーにゆだねられており、同誌などは「運輸省も消費者にやさしい用語の普及に期待を寄せている。業界をあげて採用してほしい」と呼びかけた。
AAAによると、現在、米国で販売されている新車の93%が緊急自動ブレーキ(AEB)や死角警告(BSW)など1種類以上の運転支援システムを搭載している。しかし、同じシステムに対し、最大20種類の名称が使われるなどしていて、消費者が混乱する可能性があった。たとえば死角警告では、「ブラインドスポットインフォメーションシステム」(ホンダ)や「レーンチェンジアラート」(一部のGM車)など複数の名称が使われているという。
また、機能を正確に説明していないケースや、マニュアルとウェブサイトで違う名称が使われているケースもあった。こうした状況について、コンシューマー・リポートは「消費者はどの安全システムがどの車で利用可能なのかを把握しづらく、自分にあった車を購入できないリスクがある」と指摘した。
コンシューマー・リポートはAAA、調査会社のJD Power、非営利団体National Safety Council(全米安全評議会)と連携し、主要な安全機能19種類の名称を考案した。主なものは、Adaptive cruise control(いわゆる車間維持システム)、Lane keeping assistance(いわゆる車線はみ出し防止システム)、Remote parking(車外からの遠隔操作による駐車)など。各種機関は「メーカーや業界団体、ディーラー、メディアなどすべての関係者が同じ名称を使えば、消費者の理解も進み、自動車の販売促進にもつながる」としている。