賞味期限切れの食品、「買う」「買わない」半々 NACS調査

賞味期限切れの食品を格安で販売する店舗が登場する中、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)の食生活特別委員会は、期限表示を巡る消費者の購入意識を調べるアンケートを実施した。その結果、賞味期限切れの食品については「買う」と「買わない」がほぼ半々で拮抗。安ければ購入するとの意見がある一方で、期限切れの食品を販売するという道義上の問題を指摘する意見があった。同委員会は「品質管理や入手ルートの開示など消費者が安心できるルール化が必要だ」と要求している。

この調査は、食品ロス削減に関する意識を調べるために行われたもの。6月~8月、NACS会員と一般消費者の計1231人(非会員が8割)を対象に実施した。

期限表示を巡る設問では、「少し古くなった野菜」を70%が購入すると回答、消費期限が迫ったパンも82%が買うと答えた。一方、賞味期限の切れた安い食品については、「買う」が48%、「買わない」が52%と半々で拮抗する結果となった。

それぞれ理由を聞いたところ、購入するとした人は「賞味期限は期限切れでも問題ないから」「安いから」と回答。購入しないとした人は、食品の保管状況などに対する不安や期限切れを販売することに対する道義的な問題をあげた。「どのようなルートで入手したのか不安」との声もあった。

賞味期限切れの食品は法的には問題がないとして販売されている状況だが、調査からは不安を抱く消費者が少なからず存在することがわかった。同委員会は「問題が発生してから取り締まるのではなく、入手ルートや保管状況など販売店舗の調査を行い、消費者の不安を取り除いてほしい」と要望。情報開示のルール化などが必要だと指摘した。

アンケートでは、食品ロス削減について9割の人が意識していたものの、7割の人が食品を捨てた経験があると回答。捨てた理由は「消費期限切れ」「食べ残し」「賞味期限切れ」が上位を占め、同委員会は「期限表示について正しく理解していない場合がある」と分析、「表示を理解し、期限内に食べきることのできる量の購入を心がけることが重要だ」と呼びかけた。フードドライブの認知度や外食時の食べ残しについても調べており、詳しい結果報告がNACSホームページに公開されている。

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