ゲノム、有機JASで認めない方針 日本生協連「理由説明を」
- 2019/12/13
- 食品
日本生活協同組合連合会(日本生協連)は12月4日付で、有機農産物の日本農林規格(JAS)の一部改正案についての意見を農林水産省に提出した。ゲノム編集食品を有機JASでは認めないとする方針が示されたとして、「経緯を含めて、なぜ認めないのかをきちんと説明すべきだ」と求めた。また、厚生労働省・消費者庁の方針との相違があることを指摘。状況によっては事業者が制度の利用を避ける事態もおこりえるとして、規格改正への議論を慎重に進めるよう求めた。
日本生協連は、ゲノム編集食品を巡る状況について「国民への説明が十分とは言えず、消費者は漠然とした不安を抱え、事業者も取り扱いをどうすべきかが課題になっている」と指摘。有機JASで認めない方針に至った経緯についても明確になっていないとして、国民に分かりやすい形できちんと説明すべきだと求めた。
また、厚生労働省が「ゲノム編集食品の安全性は従来育種と同様」とする一方で、消費者庁が「科学的検証手段がなく表示は義務化しない」との方針を示したことを例にあげ、有機JASでの方針とは相違があることを指摘。今後の社会状況によっては事業者が有機JAS制度を利用することが難しくなるとの懸念を示した。
理由として「表示義務が定められていない中、事業者が意図せずに使ってしまった場合、消費者・事業者ともに不利益を被る」ことをあげ、事業者が制度の利用を避けることになれば消費者も有機・オーガニック商品を選べなくなると説明。消費者・事業者ともに有用な制度とするため、今後の流通実態や国際動向などを踏まえ、慎重な議論が必要だと訴えた。