健康食品の危害相談、ケトジェンヌの事故情報発表で急増 兵庫県
- 2019/12/12
- 食品
健康食品による危害相談が増加しているとして、兵庫県立消費生活総合センターが注意を呼びかけた。消費者庁が9月6日にカプセル状の健康食品「ケトジェンヌ」の事故情報を発表して以降、相談が急増したという。同センターは「体調に異変を感じたら摂取をやめ、症状が重い場合は商品を持参して医療機関を受診してほしい」とアドバイスしている。
同センターによると4月~9月まで半年間に、県内窓口に健康食品による危害相談が78件あった。6月までは月に1桁台だったが、7月、8月になって10件を超すようになり、9月に入って29件と急増した。
消費者庁が9月6日、健康食品ケトジェンヌに関する健康被害の相談が相次いでいるとして、消費者安全法に基づく公表を実施。その後、県への相談が急増し、同製品に関する相談も複数寄せられたという。健康食品による危害相談は2015年度以降、年間59件~92件の範囲で推移していたが、今年度はこのまま続くと150件を超す可能性があり、同センターが警戒を強めている。
主な相談事例は「ネット通販でダイエットサプリを購入し、数日間飲んだところ下痢をした。飲むのを止めると症状が治まったので、サプリが原因だと思う。返品したい」(50歳代・女性)、「乳酸菌で腸内を整えるというサプリをネット通販で初回500円ということで購入。湿疹が出たため解約を申し出たところ、定期購入なので2回目分まで支払ってほしいと言われた」(40歳代・女性)など。
危害内容は下痢や便秘などの「消化器障害」が全体の49%を占め、湿疹などの「皮膚障害」30%、ふらつきやどうき、気分の不安定などの「その他の傷病・諸症状」16%などと続いた。また、相談の約7割が複数回の購入が条件の「定期購入」に絡んだものだった。同センター学習交流推進課は「健康食品の危害トラブル自体を消費生活センターに相談する人はそれほど多くないが、定期購入した健康食品については返品などの契約トラブルが絡んでくる。寄せられた相談を分析すると、下痢などの体調不良をきっかけに解約・返品トラブルへと発展する事例が多くみられた」と指摘した。
健康維持はバランスの取れた食事、適度な運動、十分な休養が基本。同センターは「健康食品は補助的なもので、あくまでも食品。症状の軽減や病気を治す効果は期待できない」とアドバイスしている。