【米国】消費者団体が偽造医薬品の啓発サイト開設 通報促す
- 2019/12/10
- 海外
1899年設立の全米消費者連盟(National Consumers League、NCL)は12月5日、偽造医薬品に関する啓発サイト「Fraud.org/Fake Rx Action Center」を立ち上げた。オンラインなどで流通する偽造医薬品を見破るための情報を提供し、規制当局への通報を促していく。医薬品メーカーもサイトの支援を表明しており、信頼できる情報発信サイトとして消費者・医薬品業界・規制当局を結ぶハブの役割を果たしていく方針だ。
医薬品のインターネット販売が当たり前となる中、偽造医薬品を販売する違法業者の横行は消費者にとって大きな脅威。NCL幹部のサリー・グリーンバーグ氏は「偽造医薬品はすぐ身近にあり、命を脅かす危険なもの。もし偽造医薬品を見分ける方法を知らないのなら、インターネット上で医薬品を購入してはいけない。オンライン通販には多くの偽造医薬品が出回っている」と指摘。「世界保健機関(WHO)は先進国で流通する医薬品の1割が規格外の偽造品で、年間の販売額は830億ドル近くに達すると推定している」と強調した。
啓発サイトには、米国で社会問題化しているフェンタニル偽造薬で子どもを亡くした遺族も協力。医薬品大手5社(アラガン、セルジーン、ギリアド・サイエンシズ、イーライリリー・アンド・カンパニー、ファイザー)と米国研究製薬工業協会(PhRMA)もパートナーとして支援する。
米医薬品食品局の元幹部のジョージ・カラヴェスト氏は「医薬品販売業者を装う非合法サイトを閉鎖に追い込むには、消費者からの情報提供が不可欠だ。キャンペーンサイトは消費者の安全を保護し、犯罪者が私腹を肥やすのを妨げるツールが提供されている」と語った。