【米国】消費者団体が偽造医薬品の啓発サイト開設 通報促す

1899年設立の全米消費者連盟(National Consumers League、NCL)は12月5日、偽造医薬品に関する啓発サイト「Fraud.org/Fake Rx Action Center」を立ち上げた。オンラインなどで流通する偽造医薬品を見破るための情報を提供し、規制当局への通報を促していく。医薬品メーカーもサイトの支援を表明しており、信頼できる情報発信サイトとして消費者・医薬品業界・規制当局を結ぶハブの役割を果たしていく方針だ。

偽造医薬品啓発サイト

NCLが立ち上げた偽造医薬品啓発サイト「Fraud.org/Fake Rx Action Center」

医薬品のインターネット販売が当たり前となる中、偽造医薬品を販売する違法業者の横行は消費者にとって大きな脅威。NCL幹部のサリー・グリーンバーグ氏は「偽造医薬品はすぐ身近にあり、命を脅かす危険なもの。もし偽造医薬品を見分ける方法を知らないのなら、インターネット上で医薬品を購入してはいけない。オンライン通販には多くの偽造医薬品が出回っている」と指摘。「世界保健機関(WHO)は先進国で流通する医薬品の1割が規格外の偽造品で、年間の販売額は830億ドル近くに達すると推定している」と強調した。

啓発サイトには、米国で社会問題化しているフェンタニル偽造薬で子どもを亡くした遺族も協力。医薬品大手5社(アラガン、セルジーン、ギリアド・サイエンシズ、イーライリリー・アンド・カンパニー、ファイザー)と米国研究製薬工業協会(PhRMA)もパートナーとして支援する。

米医薬品食品局の元幹部のジョージ・カラヴェスト氏は「医薬品販売業者を装う非合法サイトを閉鎖に追い込むには、消費者からの情報提供が不可欠だ。キャンペーンサイトは消費者の安全を保護し、犯罪者が私腹を肥やすのを妨げるツールが提供されている」と語った。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る