【豪州】タカタ製エアバッグ改修率85% 来年末の完了めざす
- 2019/12/6
- 海外
オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は12月3日、タカタ製エアバッグのリコール率が85%に達したと発表した。デリア・リッカード副委員長は「安全なエアバッグへの交換が順調に進んでいる」との見解を示す一方で、クリスマスシーズンの大型連休が近づいているとして「対象車両かどうかを今すぐ確認し、該当すれば無料交換を申し出てほしい」と呼びかけた。
タカタ製エアバッグのリコールは世界最大規模の自動車リコール案件。世界中で推定1億台の車両が影響を受けたとされ、ガス発生装置(インフレーター)の異常破裂により少なくとも29人が死亡、320人以上が負傷した。豪州政府は強制リコールに乗り出すとともに、リコール対象製品とは異なるタイプのエアバッグでも1人が死亡、1人が重傷を負う事故が起きていること明らかにした。強制リコールについて、ACCCは2020年末までに全車両の改修を完了させるよう各自動車メーカーに要請している。
ACCCによると、今年10月(速報値)までに対象のエアバッグ約350万個の交換を終え、リコール率は85%になった。残る61万個のうち約24万個(6%)は車両の盗難・廃棄などにより交換が不可能とされ、実質的な未改修製品は約37万個(9%)。この中には死亡事故を引き起こすおそれのある製品が1万3000個以上含まれており、ACCCや各メーカーは最優先製品と位置づけてドライバーに警告し、「車両を運転せずにディーラーに連絡を」と呼びかけている。
リッカード副委員長は「リコールは順調に進んでおり、営業日ごとに約4000個のエアバッグが交換されてきた」と経過を報告。一方で、「道路を走行する危険な未改修車両はまだまだ多い。ドライバーはリコール通知を無視したり、対応を遅らせたりしてはいけない」と呼びかけた。ACCCはタカタ製エアバッグの強制リコールを実施して以降、この案件を最優先課題に位置付けて対応にあたってきた。
(注 2019年12月6日17時、一部内容を修正いたしました)