栄養成分表示「活用方法わからない」4割 静岡県「普及が必要」
- 2019/11/14
- 食品
2015年4月に包装した加工食品への表示が原則義務付けられた「栄養成分表示」について、4割近くの人が「活用したいが、活用方法や見方がわからない」と回答していることが、静岡県のアンケートでわかった。栄養成分表示は5年間の猶予期間が設けられているが、来年4月からの本格実施が迫っている。県はパンフレット等を活用して普及活動を続ける必要があるとしている。
調査は7月~8月にかけて、県政インターネットモニターを対象に食の安全・安心について聞き、596人が回答した。
調査結果によると、食品表示を「必ず確認している」人は22.5%、「どちらかといえば確認している」人は51.2%となり、7割超の人が食品を購入する際、表示を確認していた。確認している項目は賞味期限・消費期限(80%)、原料原産地(77.9%)が上位。一方、確認していないとの回答者(26.3%)に理由を聞いたところ、見方がよくわからない(29.3%)、興味がない(28%)などが上位となった。
カロリーなどが記載されている栄養成分表示を活用したいか聞いたところ、「すでに活用している」が40.9%で最も多かったものの、「活用したいが、活用方法や見方がわからない」も39.8%とほぼ同じ割合だった。残る19.3%の人は「活用したいと思わない」と答えた。
食品表示については74%の人が信頼できると回答。一方で、レストランのメニュー表示については、食材や産地について「不審に思ったことがある」との回答が45%にのぼった。そのほか、安全な食品を製造するための衛生管理の手法であるHACCP(ハサップ)について、46.8%の人が「名称も意味も知らない」と回答し、GAP(農業生産工程管理)については71.3%の人が「まったく知らない」と答えた。
県は調査結果を今後の施策に反映する方針。2021年6月1日に完全施行されるHACCPについては「食品等関係事業者のみならず広く一般消費者に啓発することで、食の安全性に関する県民の信頼度の一層の向上に努めていく」としている。