形態安定加工ワイシャツのホルムアルデヒド、洗濯すれば低減
- 2019/11/12
- くらし
北海道消費者協会はワイシャツの形態安定加工で使われるホルムアルデヒドに関する商品テストを実施した。ホルムアルデヒドは直接素肌に触れると接触皮膚炎の原因となるが、テストでは洗濯により低減し、2回洗濯後にはすべての製品で検出されなくなった。同協会は「ホルムアルデヒドは水に溶けやすいので洗濯により減少する。肌が敏感な人など心配な場合は、1~2回洗濯してから着用するとよい」とアドバイスしている。
ホルムアルデヒドは接触性皮膚炎の原因物質で、大人用下着の基準値として75ppm以下と規定されている。一方、ワイシャツに関しては法的規制はないが、経済産業省が製品中のホルムアルデヒドを300ppm以下に管理するよう通達している。
協会は「形態安定加工」「ノンアイロン」などの記載がある7銘柄の無地の白ワイシャツ(綿100%が6銘柄、綿50%ポリエステル50%が1銘柄)を対象に溶出量をテスト。その結果、7銘柄中5銘柄から28~92ppmのホルムアルデヒドを検出、2銘柄からは検出されなかった。溶出量はいずれも300ppm以下だったが、1銘柄は92ppmと下着の基準値(75ppm)を超えていた。
一方、洗濯1回後は3銘柄が不検出となり、洗濯2回後はすべての銘柄が不検出となった。ただし、形態安定加工ワイシャツは洗濯を繰り返すとしわが発生しやすくなり、JIS規格を参考にしたテストでは洗濯10回後に1銘柄が、洗濯20回後にもう1銘柄が基準を若干外れてしまった。
また、テストした1銘柄は世界的な民間規格「エコテックス・スタンダード100」マーク付きの製品で、ワイシャツのホルムアルデヒドは日本の下着の基準値と同じ75ppmが設定されている。テストでは、この製品のホルムアルデヒド溶出量は28ppmで、基準値を満たしていた。
北海道消費者協会は「ワイシャツは直接素肌に触れることも想定されるため、気になる人は洗濯を」と呼びかけるとともに、形態安定性を保持するため▽えり、カフス部分はのり付けと高温・高湿プレスを避ける▽洗濯の際はネットを使用し、脱水時間は10~15秒と短くする▽脱水後は洗濯機から取り出して、しわを伸ばしながら形を整えてつり干しする――など取り扱いの注意点をアドバイスした。