【米国】運輸省自動車アセスメント40周年 刷新必要との指摘
- 2019/10/18
- 海外
米運輸省の道路交通安全局(NHTSA)が1979年に開始した自動車アセスメントプログラムが今年で40周年を迎えた。アメリカ消費者連合(CFA)は「自動車アセスの衝突試験ほど車両の安全性を向上させたプログラムはなかった」と称賛する一方で、「試験内容が長い間更新されず、どのメーカーの車種も横並びの評価になっている」と批判し、プログラムの全面刷新を求めた。
CFA幹部で自動車分野の著名エディターのジャック・ギリス氏が自動車アセスメントの問題点を指摘した。ギリス氏は自動車アセスの長い歴史を振り返り、「当初は自動車メーカーの猛烈な攻撃にさらされたが、消費者の支持を受けて今日まで生き残ることができた」と述懐。一目で安全性能を比較できる情報提供方法がメーカーの開発を飛躍的に促したと評価した。
一方、「メーカーの安全設計技術が進化し続けるのに対し、自動車アセスは数十年前の方法で試験を毎年繰り返しているだけだ」と批判。もはや高評価が横並びになる状況に陥り、「自動車アセスの本質的な目的を達成していない」と指摘した。
自動車アセスメントは自動車の安全性能を消費者が比較できるように公開し、購買行動により安全な車両の普及とメーカー安全技術の向上を促すもの。ギリス氏は「現状では消費者がレモン車(いわゆる欠陥車)を見分けることができなくなっている」とし、最先端の評価方法を開発するよう呼びかけた。性能の差が顕著に表れる試験方法の導入は、交通事故の防止につながるだけでなく、国内自動車メーカーが国際的な競争力を維持するためにも必要だと訴えている。