【英国】新20ポンド札公開 プラスチック製への切り替え加速
- 2019/10/16
- 海外
デザインを一新した新20ポンド紙幣が公開された。ポリマー(プラスチック)製で、英国中央銀行のイングランド銀行いわく「英国史上最も安全なお札」。2020年2月20日に発行が予定されているが、英国の消費者団体Which?は「古い紙幣を新紙幣に交換する前にシリアル番号を確認してほしい。コレクターがいずれ高値で購入してくれるかもしれない」と呼びかけている。
新20ポンド札には、19世紀に活躍した英国人画家ウィリアム・ターナーの肖像画を採用。経済学者アダム・スミスを起用した現行紙幣が紙製なのに対し、ポリマー製とした。イングランド銀行は2016年以降、ポリマー製への切り替えを進めており、16年に5ポンド紙幣を、17年に10ポンド札をポリマー製にした。残る50ポンド札も21年には切り替える意向で、すべての紙幣がポリマー製となる予定。
イングランド銀行担当者はWhich?の問い合わせに対し、「新しい20ポンド札は青色とゴールドの2色を基調としたデザインで技術的に真似るのが難しい上、ポリマー製紙幣自体、寿命が長く、偽造が難しいのが特長。英国史上最も安全なお札だ」とコメント。また、切り替え後の旧紙幣の処理方法を尋ねたところ、担当者は「最終的には堆肥化して土壌改良剤になるか、発電エネルギーとして処理されることになる」と回答したという。
紙幣は通常、額面以上の価値はないが、まれにコレクター垂涎のお札になる場合がある。WHICH?は「シリアル番号に注目してほしい。123456や222222などの連続番号は額面以上の価値で取引されることが多い」と指摘し、財布の中身を確認するよう呼びかけた。実際、シリアル番号が「A01 000004」の旧5ポンド札は1万6800ポンド(約232万円)で落札されたという。ただし、こうした番号が若い紙幣は皇族や高官に与えられるのが慣例で、まずは出回らない代物。オークションに出品された5ポンド札も、もともとは1971年に当時のアンソニー・バーバー蔵相に贈られたものだという。