【米国】加熱すると栄養アップ 冬に野菜を上手に取る方法
- 2019/10/8
- 海外
寒い季節は生野菜サラダを敬遠してしまいがち――。そこで米消費者情報誌コンシューマー・リポートは冬の到来を前に、加熱調理により栄養素をアップさせる野菜の調理方法を紹介した。同誌は「野菜は低いカロリーで重要な栄養素を供給してくれる。加熱すると栄養素が低下する場合も多いが、常にそうとは限らず、一部の野菜は細胞壁に閉じ込められた栄養分が流れ出し、簡単に吸収できるようになる」と解説している。
コンシューマー・リポートは栄養・味・安全の観点で野菜の加熱調理を考察し、おすすめの野菜をリスト化した。
まずは栄養豊富なホウレンソウ。加熱するとより多くのカルシウムや鉄分を吸収できるようになる。ホウレンソウには栄養分の吸収を阻害するシュウ酸が含まれているが、熱を加えると分解する。沸騰したお湯ですばやく加熱し、冷水に浸すとシュウ酸塩の含有量が平均で40%減少するとの研究があるという。
ニンジンも加熱調理に最適。ある研究では、柔らかくなるまで煮るとカロチノイド濃度が14%上昇したという。おすすめの調理法はまるごと茹でてからスライスして使うこと。貴重な栄養分が水に流れ出ることを防ぐ。フライパンで炒めるのは逆効果で、カロチノイド濃度が13%低下するという。
そのほか、抗酸化物質などの栄養分が増加するアスパラガス、リコピンが増加するトマトも加熱調理におすすめ。アスパラガスはゆでて、鮮やかな緑色に変わるとすぐに取り出すこと。トマトはオーブンでローストすると風味が増すという。
ピーマンの中では、ベータカロチン、ベータクリプトキサンチン、ルテインを含む赤ピーマンを推奨。熱を加えるとビタミンCが減少するが、細胞壁に閉じ込められたカロチノイドが摂取できる。軽くローストするか炒める調理方法がおすすめ。
安全面で加熱したほうがいいのは白いキノコ類(エノキ、マイタケ、ヒラタケなど)。たんぱく質分解酵素など少量の毒素を含まれており、熱を加える必要がある。フライパンでソテーする場合は大量に入れないこと。調理中に大量の水が出るため、うまく仕上がらない。また、ブロッコリーとカリフラワーには膨満感やガスを発生させるラフィノースやセルロースが含まれているので、蒸したり、炒めたりすると良い。
最後にもやし(アルファルファ、豆、緑豆など)は加熱調理が必須。栄養価が高いが、細菌に汚染されている可能性があるという。