【米国】CPSC委員長代理にアドラー氏 消費者団体幹部を経験
- 2019/10/3
- 海外
米消費者製品安全委員会(CPSC)の委員長代理に10月1日、ロバート・アドラー委員が就任した。アドラー委員長代理は「CPSCを率いることができて大変光栄だ。優秀な委員や職員の助けを得ながら、消費者保護の役割を担い続けることを楽しみにしている」とコメントした。
2年半に渡り委員長代理を務めたアン・マリー・バークル氏が、9月30日に辞任したことを受けたもの。バークル氏は10月27日まで委員としてCPSCに残り、任期を全うする。
バークル氏を巡っては、トランプ政権下で企業への罰金が5社(2017-18年)に減少(オバマ政権下の2015-16年は12社)したことやリコール件数が過去10年間で最低レベルに落ち込んだことなどが指摘され、消費者団体などから厳しい批判にさらされた。最近では、乳幼児の死亡事故が相次いだフィッシャープライス揺りかご型乳幼児用ベッド事案への甘い対応が問題視されていた。
一方、新任のロバート・アドラー委員長代理はノースカロライナ大学法学教授を務め、製品安全、製造物責任、規制、商法、医療過誤などが専門。ペンシルバニア州消費者保護局で南西地域事務所を率いたほか、米消費者情報誌コンシューマー・リポートを発行するコンシューマー・ユニオン幹部を6期務めた経歴を持つ。任期は2021年10月まで。
CPSC委員の過半数は共和党で占められていて、前任のバークル氏も共和党だった。現地の報道などによると、民主党のアドラー氏が党派を超えて選出されたことは驚きをもって受け止められている。バークル氏もアドラー氏に投票し、「消費者保護は政治に左右されない」とのコメントを残している。