八田純人さん 食品の裏側に科学の光を 検査機関、募金で運営🔓
- 2019/10/2
- 食品
一般社団法人農民連食品分析センター所長 八田純人さん
「食品を検査・分析する機関には行政と民間の機関があります。行政機関は法律や制度に基づく機関。規格・基準などに沿った検査・分析を基本とします。これに対し民間機関は主に企業組織が母体。最終的には利益、経済性が優先される傾向を持つ。これらに対し当センターは農民・消費者の募金によって発足し、募金で運営されているという世界でも希な存在です。今後も消費生活に欠かせない第三の機関として、食品の検査・分析の役割を担っていきたいと思います」
農民連食品分析センター所長・八田純人さんは同センターの特徴をこう説明する。発足は1996年。日本のWTO(世界貿易機関)協定加盟に際し、“不安な輸入食品の科学的データを知りたい”“国産農作物の品質を確かめ社会に伝えたい”――そう願う消費者および農民の思いを受けて設立された。全国からの募金が「財源」だ。
「農民・消費者・市民の皆さんの支援が途絶えると1日で機能停止となります。当センターの必要性と存在意義を社会的に広く知っていただけるよう、科学の目を鍛えながら消費生活の実際を踏まえた検査・分析を推進していきます」
その一環として同センターは会員の消費者・市民団体や学校の生徒たちなどを対象に見学学習会も開催、交流の場を設けている。検査・分析フロアーには、全国からの支援で納入された食品放射能汚染や遺伝子組換え検査などに使う分析機器、細菌検査、残留農薬、さらに重金属分析などの機器類が整備されている。見学会では機器の働き、分析方法などの説明をはじめ、参加者からの質問にもていねいに答えている。
「食と農の防人(さきもり)として…(以下続く)
(本紙10月1日号「提言―消費者問題はいま」欄より転載)
◆この記事の続きは以下の会員制データベースサービスで購読できます
ジー・サーチ データベースサービス
日経テレコン