事故例多い機能性表示食品 目立つ肝機能障害 商品名開示必要🔓
- 2019/10/1
- 食品
カプセル・錠剤形状のいわゆる健康食品や機能性表示食品を食べて健康被害を被ったという被害例が相次いでいる。多くは発熱、黄疸、食欲不振、吐き気、嘔吐などの症状を呈し、肝機能を低下させる薬物性肝機能障害の疑いが指摘されている。ダイエット食品としてインターネット販売されていた「ケトジェンヌ」は食べた消費者に短期間で下痢などの症状を発生させるとして今年9月に消費者庁が消費者安全法に基づき商品名などを公表した。短期間での被害多発は当該製品との因果関係が容易に推測されるが、被害例が少なく、説明書通りの摂食方法であっても個人の体質による症状との判断がなされる場合、そのリスクは埋もれがちとなる。ケトジェンヌであっても、4月から被害例が寄せられ始め8月までに89件、それでも使用を控えるよう注意情報が発信されたのは1カ月後だった。何が問題か、取材した。
創立10周年を迎えた消費者庁だが、健康食品をめぐってはこの10年間で後退した施策がある。安全性確保へ向けた事故(有害事象)の情報収集と公表体制だ。
消費者庁発足前までは、健康食品を食べて事故が発生した場合、その事故原因に当該健康食品との疑いありと医療機関が判断し、その情報が都道府県・保健所を通して厚労省に通知されたとき、同省は「原因は不明で調査中ながら」という表記とともに当該食品の商品名や製造・販売事業者名を同省ウェブサイトで公開していた。
現在その施策は消費者安全法による消費者庁への事故情報一元化による移管で立ち消えとなっている。当該食品による事故との関係が明確でないと商品名の公開はなされていない。
機能性表示食品も同様で…(以下続く)
(本紙「ニッポン消費者新聞」10月1日号より転載)
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