運動型STEAM教育プログラム、キッズデザイン最優秀賞受賞
- 2019/9/25
- くらし
キッズデザイン協議会が主催する「第13回キッズデザイン賞」の内閣総理大臣賞に、徳島県で活動するTerada3DWorksの「フライングディスク運動型STEAM教育プログラム」が選ばれた。子どもたちがプラスチック製の円盤、フライングディスクを飛ばして飛行特性を体感し、3Dプリンターで制作するというプログラム。「身体性を伴うSTEAM教育へ取り組んだ姿勢が素晴らしい」と高く評価された。
第13回キッズデザイン賞では263点が受賞。その中から33点がノミネートされ、9月25日の表彰式で各賞が発表された。
最優秀賞となる内閣総理大臣賞に輝いた「フライングディスク運動型STEAM教育プログラム」は、小学生のSTEAM教育(科学・技術・工学・数学に芸術を加えた教育手法)を支援するために開発された教育プログラム。
日本でも珍しいフライングディスク競技プレイヤーでもあるTerada3DWorksの寺田天志さんは▽子どもでもすぐに遊べる▽3Dモデリングが簡単で、すぐに成功体験が得られる――などの特性を持つフライングディスクを題材とした教育プログラムを思いついたという。
プログラムは(1)フライングディスクを投げることで飛行特性を体感(2)そこで得たイメージ力を3D技術に落とし込み、3Dプリンターでディスクを制作(3)実際に投げてみる――という三段階の構成。スマートフォンやゲームなどで室内にこもりがちな子どもたちが、遊びの中で会話や個性を養うことができるという。プログラムには「デジタルで遊ばされている時代からデジタルで遊ぶ時代へ」というメッセージも込められている。
審査員からは「デジタルゲームの台頭で身体を使う機会やコミュニケーションの機会が減る傾向への懸念から、身体性を伴うSTEAM教育へ取り組んだ姿勢が素晴らしい」「未来を生きる子供たちにこそ、このようにデジタルとアナログを自らの感性で自由に行き来する学びが必要だ」などと高く評価された。
また、消費者担当大臣賞は地域密着型の社会体験プログラム「おしごと体験広場 キッズハローワーク」(おしごと体験広場 キッズハローワーク実行委員会)が、東京都知事賞には感電事故を防ぐ収納式の壁用コンセント「壁用プッシュコンセントUCWシリーズ」(寺田電機製作所)が受賞した。
キッズデザイン協議会によると、今回は保育・教育関係の施設や保育従事者の負荷軽減につながる製品・サービスの応募が増加。暮らしや働き方の多様化を背景に、個々の生活に合った新たな視点のサービスや防災対策に関する応募も目立ったという。