【米国】ハリケーン・ドリアンは気候変動が主因 報道姿勢を非難
- 2019/9/9
- 海外
バハマで壊滅的な被害をもたらし、米東海岸を北上した最強クラスのハリケーン「ドリアン」について、米非営利団体パブリック・シチズンは「主要メディアが気候変動と結び付けて報道しなかった」と批判した。
研究者によると、地球温暖化により、ハリケーンは急速に勢力を増すようになり、降雨量はより多くなり、速度が遅くなる傾向があるという。今回のドリアンはこれらの特徴がすべて当てはまり、同団体は「科学者の警告を例証するハリケーンだ」と指摘した。
パブリック・シチズンが9月2日までの3日間における主要メディアのニュース167本を調べたところ、ドリアンを気候変動もしくは気球温暖化と結び付けて報道した事例は全体のわずか7.2%。49の大手新聞では、32紙がドリアンを報じたが、気候変動と絡めた記事は8紙のみにとどまった。
パブリック・シチズンは昨年の大型ハリケーン「フローレンス」と「マイケル」の米国上陸時にも調査を行っており、今回の調査結果は昨年と同じ傾向だった。団体は「科学者の警告について言及しなければ、自然災害がもたらす大惨事に対処できない」と指摘している。