1歳未満にはちみつ厳禁、認知度65% 高齢層と男性で低い傾向
- 2019/7/25
- 食品
乳児ボツリヌス症を防ぐため、1歳未満にはちみつを与えてはいけないことを正しく知っていた人の割合が65.3%だったことが、東京都のアンケート調査でわかった。70歳代以上や男性の認知度が低いこともわかり、都は幅広い層に向け、さらなる注意喚起を実施していく方針だ。
2017年、離乳食としてはちみつを与えられていた足立区内の生後6カ月の男児が乳児ボツリヌス症で死亡する事例が発生。これを受け、都は注意喚起の実効性を高める目的でアンケートを実施した。多摩小平保健所が昨年10月~今年2月にかけて636人を対象に行い、乳児ボツリヌス症の予防に関する知識として▽1歳未満の乳児にはちみつを与えてはいけないこと▽はちみつを含む加工食品も同様であること▽加熱したはちみつも同様であること―の3項目を尋ねた。
その結果、すべての項目を正しく知っていた人は全体の65.3%だった。20~40代では7割を超えたが、50代以上では7割未満となり、70代以上では55.2%にとどまった。性別では、女性73.7%に対し男性が40.3%と低い結果となった。
日頃、乳幼児の世話をすることがある人に限定した認知度は、全体で79.1%と回答者全体の65.3%と比べて高かったが、70代以上や男性は7割を満たない結果(それぞれ67.3%、56.9%)となった。
また、東京都健康安全研究センターが今年3月までの1年間、都内の店舗で販売されていた国産はちみつ50品目の乳児ボツリヌス症予防に関する注意喚起表示を調査。その結果、6品目に「与える場合にはご注意ください」や「与えない方が安心です」といった不適切表示や表示のないものが確認された。
注意喚起表示は食品表示法で義務化されたものではないが、厚生労働省と消費者庁が推奨しているほか、公正競争規約で使用上の注意としての記載が求められている。6品目については関係自治体に情報提供を行ったという。健康安全研究センターは「はちみつ商品は小規模な事業者が販売することが多く、表示についての認識が十分ではないと思われる」としている。