1歳未満にはちみつ厳禁、認知度65% 高齢層と男性で低い傾向

乳児ボツリヌス症を防ぐため、1歳未満にはちみつを与えてはいけないことを正しく知っていた人の割合が65.3%だったことが、東京都のアンケート調査でわかった。70歳代以上や男性の認知度が低いこともわかり、都は幅広い層に向け、さらなる注意喚起を実施していく方針だ。

はちみつは1歳を過ぎてから

東京都が作成した店頭掲示用カード。店舗に掲示を依頼するなどして注意喚起している

2017年、離乳食としてはちみつを与えられていた足立区内の生後6カ月の男児が乳児ボツリヌス症で死亡する事例が発生。これを受け、都は注意喚起の実効性を高める目的でアンケートを実施した。多摩小平保健所が昨年10月~今年2月にかけて636人を対象に行い、乳児ボツリヌス症の予防に関する知識として▽1歳未満の乳児にはちみつを与えてはいけないこと▽はちみつを含む加工食品も同様であること▽加熱したはちみつも同様であること―の3項目を尋ねた。

その結果、すべての項目を正しく知っていた人は全体の65.3%だった。20~40代では7割を超えたが、50代以上では7割未満となり、70代以上では55.2%にとどまった。性別では、女性73.7%に対し男性が40.3%と低い結果となった。

日頃、乳幼児の世話をすることがある人に限定した認知度は、全体で79.1%と回答者全体の65.3%と比べて高かったが、70代以上や男性は7割を満たない結果(それぞれ67.3%、56.9%)となった。

また、東京都健康安全研究センターが今年3月までの1年間、都内の店舗で販売されていた国産はちみつ50品目の乳児ボツリヌス症予防に関する注意喚起表示を調査。その結果、6品目に「与える場合にはご注意ください」や「与えない方が安心です」といった不適切表示や表示のないものが確認された。

注意喚起表示は食品表示法で義務化されたものではないが、厚生労働省と消費者庁が推奨しているほか、公正競争規約で使用上の注意としての記載が求められている。6品目については関係自治体に情報提供を行ったという。健康安全研究センターは「はちみつ商品は小規模な事業者が販売することが多く、表示についての認識が十分ではないと思われる」としている。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. パブリック・シチズン
    米国の消費者団体パブリック・シチズンのロバート・スタインブルック博士は11月21日、米食品医薬品局(c
  2. ETOC
    特殊詐欺グループと知りながら電話回線を提供する反社会的な電話事業者が存在することから、通信系の5団体c
  3. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  4. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  5. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る