【英国】高級スーパーが容器なし販売 割安でプラも削減
- 2019/6/11
- 海外
英国の高級スーパー、ウェイトローズ(Waitrose)が容器包装をまったく使わない飲食品の販売を開始した。買い物客が持参の容器や紙袋に食品を詰め、量り売りにより決済するシステム。オックスフォードの店舗で6月3日から11週間の期間限定で試行営業を行い、顧客の反応やプラスチック容器の削減効果などを検証する。
この取り組みについて、消費者団体Which?は「何千トンもの不要なプラスチック製容器の削減につながる可能性がある」とエールを贈るとともに、実際に販売価格が割安かどうかを調査した。その結果、45品目のうち4分の3は価格が安く設定されていることが判明。逆に価格が高かったコーヒーなどについて、店側は「同類のコーヒーとは直接比較できないプレミアムブランドだからだ」と説明したという。
Wnich?は「価格が少し高い場合でも、消費者はパッケージ商品よりも購入代金を節約できる可能性がある。販売スタイルが量り売りなので、本当に必要な量だけを購入できるからだ」と解説。「家庭における食品ロスを回避するメリットもある」と分析した。
今後の展開について、ウェイトローズは「トライアル結果を分析して、店の改善につなげたい」とコメント。Which?は「このトライアルは単なるパフォーマンスではなく、業界がチェーン化を考えるきっかけになる可能性がある」とし、消費者にも行動を呼びかけた。
現在、英国の大手スーパーはプラスチック協定に参画し、業界を挙げて容器包装の削減を推進中。ウェイトローズの試みに続く形で、6日には老舗スーパーセインズベリ―ズ(Sainsbury’s)が、野菜・果物・パンに使うプラ容器・ビニール袋の削減を発表。大手のテスコ(Tesco)やモリソンズ(Morrisons)は、すでに飲料容器のデポジットを導入するなどしている。