【米国】CRがデジタルラボ設立 ニューマン氏600万ドル拠出
- 2019/6/7
- 海外
米消費者情報誌コンシューマー・リポート(CR)は6月6日、新たな研究機関「デジタルラボ」を設立すると発表した。技術開発のスピードに規制が追いつかないデジタル市場において、消費者団体自らが消費者権利の保護・強化の取り組みに乗り出す。研究所では、多くの消費者が懸念するプライバシー保護やセキュリティ問題を集中的に監視するほか、商品テストの対象にIoT製品や通信サービスを加える方針。
デジタルラボの設立費用は、クラシファイドサイト大手「Craigslist」創設者で、消費者運動の支援者でもあるクレイグ・ニューマン氏が自身の慈善団体を通じて拠出した。氏による援助額は600万ドル(約6億5千万円)にのぼり、CRへの寄付としては過去最高額。同氏はラボの運営を支援するCRデジタル諮問委員会の名誉委員長に就く。
CRのマルタ・テラードCEO兼代表は「デジタル巨人企業は消費者の選択・情報・行動に、かつてないほどの影響を与えている。デジタルラボの誕生はデジタル時代における新たな消費者権利の到来を告げるものだ。これまで技術的に解明できなかった部分を明らかにして、消費者のプライバシー保護、安全性、選択の自由を取り戻す」とコメント。今後数カ月の間に、様々な要請と運動を打ち出していくとした。
巨人企業に対抗できる技術や知見を集約し、商品テストの対象をデジタル製品にまで拡大する方針。具体的には家庭用IoT製品やパスワードマネジャー(パスワード管理ソフト)、通信機器、通信サービスなどをあげた。消費者がプライバシー設定を引き上げるためのツールの開発も手掛けるとしている。