海賊版対策、「警告表示」に慎重論 通信の秘密の侵害を懸念🔓
- 2019/4/22
- くらし
漫画を無断で投稿する「海賊版サイト」の対策を議論する有識者検討会が4月19日、総務省で始まった。昨年議論が紛糾し、法制化を断念した「ブロッキング」に代わり、新たに「アクセス警告表示」が示されたが、早くも有識者から慎重論が相次いだ。情報通信消費者ネットワークの長田三紀氏は「対策をしなければいけないというのは十分理解できるが、通信の秘密を軽く考えることについては疑問がある」などと指摘した。検討会は6月をめどに意見をまとめる方針。
「見られている」に抵抗感
総務省が示した「アクセス警告表示」は、海賊版サイトに接続する際に警告ポップアップを表示させる仕組み。「警告、海賊版サイトです!本当にこのサイトにアクセスしますか?」と問いかけ、ユーザーに引き返すか先に進むかを選択させる。一定の抑止策になるとして、昨年導入が見送られた「ブロッキング」(強制的な接続遮断)に代わる対策として示された。
この方式では、インターネット接続業者がユーザーの閲覧先をチェックするため、憲法が保障する「通信の秘密」の侵害に当たらないようユーザーから事前の同意を得る必要がある。総務省はマルウェア感染防止プロジェクトを参考に、契約約款に事前同意を盛り込む案を提示。こうした包括同意が法的に有効と言えるのかどうかについても検討課題とされた。
検討会では異論が噴出。消費者団体から唯一参加した情報通信消費者ネットワークの長田三紀氏は「海賊版サイトからの(静止画の)ダウンロードを違法とする判断が示されない中で、アクセス警告方式を検討するのは順番が違うのではないか。海賊版サイト対策をしなければいけないというのは十分理解できるし、協力していきたいが、通信の秘密を軽く考えることについては疑問がある。コストの問題も非常に大きな問題で、誰がどのように負担していくのか…(以下続く)
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