【英国】アマゾンのレビューに「サクラ」横行 消費者団体調査
- 2019/4/16
- 海外
英国の消費者団体Which?は4月16日、オンライン通販Amazon(アマゾン)で売られているハイテク製品に偽のカスタマーレビューが多数投稿されているとの調査結果を発表した。偽のレビューは、聞いたことのないブランドの製品で顕著に確認され、同じ内容の書き込みが大量に投稿されていた。同団体は「英国で有名でないブランドで行われる可能性が高い。購入の際は慎重に精査してほしい」と注意を呼びかけている。
オンライン通販の専門家とともにカメラ、ウェアラブル、ヘッドフォン、スマートウォッチなど14のハイテクカテゴリーを調査した。その結果、あるヘッドフォンのセット(初めて聞いたブランド)では、439レビューのすべてが五つ星の評価をしていて、すべてが同じ日に投稿され、書き込み内容は数種類を使いまわしたものだった。評価がオール五つ星だった製品はそのほかコンパクトカメラ、フィットネストラッカー、スマートウォッチなどでも見つかった。
英国規格協会(BSI)はオンライン通販のカスタマーレビューに関する自主ガイドラインを作成していて、企業に管理や削除、投稿データの1年間の保存などを求めている。アマゾンも「ポリシーに違反した場合はアカウントの停止や法的措置を講じている」と回答したという。
昨年9月、成人2000人以上を対象としたアンケートでは、97%の人がオンライン通販のカスタマーレビューを参考にすると回答。英競争・市場庁(CMA)の試算では、オンラインレビューに喚起された消費支出額は年間230億ポンドにのぼるとされている。Which?は「偽のレビューは深刻な問題であり、消費者を誤解させるおそれがある」として注意を呼びかけている。