【豪州】タカタなど製品安全優先事項発表 消費者権利デー前に
- 2019/3/14
- 海外
3月15日の世界消費者権利デーを前に、ACCC(豪競争・消費者委員会)は今年の製品安全優先事項を発表した。全国消費者会議(14日、メルボルン)で講演したロッド・シムズ委員長は「ACCCにとって消費者団体は炭鉱のカナリアだ」と述べ、消費者保護をさらに進めると発言。今年の取り組みとして、タカタ製エアバッグのリコール問題を最優先事項の一つにあげた。
製品安全優先事項は、消費者が直面する製品安全問題をリスト化したもの。世界消費者権利デーが開催される3月に、ACCCが毎年公表している。
今年は例年通りタカタ製エアバッグのリコールをリストのトップに取り上げ、次いでクアッドバイク(四輪バギー)の安全性向上、ボタン電池の誤飲防止対策、危険性のある乳幼児用ベッド、ネット通販で販売される製品の安全性、事故データベースの改良などをあげた。この中には新たに「Iot製品」も加えた。
タカタ製エアバッグのリコール問題について、シムズ委員長は「当然ながら我々の最優先事項の一つだ。非常に複雑なリコールを着実に実行するため、産業界や州と協力している。昨年もこの事案に最も多くの時間を割いた」と発言。一方、Iot製品については「今年の世界消費者権利デーのテーマとしても取り上げられているように、潜在的な消費者の安全上の問題を検討する必要がある。将来的なリスクが顕在化する前に規制が必要かを確認することが重要だ」と述べた。
ACCCは消費者保護の一環として、違反企業への罰則の強化を続けてきた。シムズ委員長は「特に大企業は政府からのメッセージを重く受け止める必要がある。脆弱な消費者をターゲットにする企業がこれに気づくまで罰則を強化する必要がある」と発言。「今年もACCCはやるべきことが多い」と締めくくった。