【米国】子どもの風邪予防 多くの保護者が誤った方法を実践

米消費者情報誌コンシューマー・リポートは1月21日、半数以上の保護者が子どもの風邪予防のために非科学的な誤った方法を行っていると指摘した。ミシガン大学のCS・モット小児病院の最新の全国調査結果を引用しながら、消毒や手洗いなど正しい予防法の実践を勧めている。

この調査は5~12歳までの子どもを持つ全国1119人の保護者を対象に実施。その結果、ほぼすべての保護者が、手洗いなどの少なくとも1つ以上の風邪予防法を実践していることがわかった。多くの場合、科学的に効果が実証された方法を行っていたが、迷信に基づく予防法を同時に行っているケースがみられたという。

例えば、71%の保護者が髪が濡れた状態で子どもを家の外に出させなかったり、寒いからといって屋外で遊ぶことを止めさせたりしていたが、同誌は「風邪は病原菌が原因で、濡れた髪や寒さは関係ない」と指摘。小児科のエリザベス・メアード医師も「風邪は冬にひくものだとの考えがちだが、寒さだけで病気にはならない」とコメント、「皮肉なことに、冬に風邪をひくことが多いのは屋内で過ごすことが多いため。閉ざされた空間にいると、他人から病原菌をもらう機会が増えてしまう」と説明した。

また、半数以上の保護者が、子どもの免疫を強化するためビタミンCや亜鉛、エキナセアなどのサプリメントを飲ませていた。ミシガン大学のグレイ・フリード教授は「いずれのサプリも人気が高いが、風邪予防の効果が実証されていない」と指摘した。

調査結果では、正しい予防法も浸透していることが判明しており、99%の保護者が子どもの衛生管理に気を配っていた。効果が期待できる風邪予防法は▽石鹸と水で頻繁に手を洗う▽おもちゃの表面やドアノブなどを1日数回消毒する▽風邪をひいている人に近づけさせない▽食べ物・飲み物を共有しない▽口や鼻を手でさわらせない▽たっぷり食べさせて、よく眠らせる(健康的な食事と十分な睡眠)――。これらの方法は病原菌の蔓延や侵入を防ぐという。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る