【米国】風邪予防に手洗い有効、石鹸で適切に 抗菌石鹸は不要

米消費者情報誌コンシューマー・リポートは12月2日、風邪やインフルエンザ、その他の感染症の予防に有効なのは定期的な手洗いだとして、そのテクニックを紹介した。8日まで実施される「全国手洗い啓発週間」に合わせて消費者に呼びかけたもの。適切な方法で、そして適切なタイミングで洗うことが重要だとしている。

同誌は「風邪やインフルエンザの感染拡大防止や感染予防の最も重要で、最も簡単は方法は定期的な手洗いだ」と強調し、専門家のアドバイスを紹介した。

テネシー州のヴァンダービルト大学メディカルセンターのトム・タルボット博士は「汚れた手で口や鼻、目に触れると、微生物が体内に侵入して感染することになる」と指摘。手を適切な方法、適切なタイミングで洗うことにより病原菌を排除できると述べた。

レノックスヒル病院疫学局長のジャネット・ハート博士は、トイレの後、食事の前、手が汚れた時の三つが手を洗う基本的なタイミングだと強調。さらに、公共交通機関を利用した後、生の肉を扱った後、外で遊んでいた子どもが家に入る時、動物に触れた後の手洗いも推奨した。また、風邪をひいた人は感染拡大を防ぐため、くしゃみや咳の後は手を清潔にしたほうがいいと呼びかけた。

病院を訪れたときは要注意。医療従事者も十分に手洗いをしていないことがCDC(米疾病対策予防センター)の調査で分かり、最悪の場合、医師や看護師を通じて耐性菌に汚染する可能性がある。病人を介助するときは、手指をアルコール消毒するなどの気配りが必要だと指摘した。

洗い方は普通の石鹸と水で十分だといい、抗菌石鹸は避けるよう呼びかけた。抗菌石鹸が通常の石鹸よりも優れているという科学的データがない上、耐性菌の発生を促す危険性があるためだ。手洗いができない場合は、少なくともアルコール分が60%以上ある消毒剤を使用するとよいとした。ただし、すべての病原菌を排除できず(例えば抗菌薬関連下痢症のクロストリジウム・ディフィシル)、この感染症を患っている場合は、周囲の人も含めて石鹸で手洗いしてほしいと呼びかけた。

関連記事

消費者運動年鑑2023

ニッポン消費者新聞最新号発行しました

新着記事

  1. 高齢消費者・障がい消費者見守りネットワーク連絡協議会
    消費者庁は10月16日、高齢者や障がい者の地域見守り活動についての情報共有化をめざして「高齢消費者・c
  2. 米消費者製品安全委員会
    米国消費者製品安全委員会(CPSC)は11月18日、複数の事故が発生していることを把握していながら直c
  3. 電話相談
    ◎全国有料老人ホーム協会が開設 経験豊富な相談員が対応 公益社団法人全国有料老人ホーム協会(有老協c
  4. JAPA中下裕子代表理事
    ◎東京消費者団体連絡センター主催の学習会で PFAS(有機フッ素化合物)問題への理解を深めようと、c
  5. 英国の消費者団体Which?
    英国の消費者団体Which?は11月14日、5月に施行された「反グリーンウォッシュ規則」などへの違反c

記事カテゴリー

トレンドニュース

  1. 全葬連石井時明会長

    2020-1-22

    登録制度導入も視野に 葬祭業めぐり3省庁が情報交換

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の石井時明会長は1月21日、同連合会と全日本葬祭業政治連盟の合同c
  2. 全日本葬祭業協同組合連合会

    2020-1-9

    国際葬儀連盟、横浜で6月に世界大会 18年ぶりの日本開催

    今年6月、横浜で世界の葬儀関連事業者が集う世界大会が開催される。主催する「FIAT-IFTA」(国際c
  3. 葬儀事前相談員資格認定試験

    2019-11-20

    葬儀の事前相談員資格認定試験を実施 全葬連

    経済産業大臣認可の「全日本葬祭業協同組合連合会」(全葬連、石井時明会長)は11月18日と19日の両日c
  4. チーズフェスタ2019

    2019-11-12

    チーズフェスタに6千人超、「チー1グランプリ」も決定

    チーズ普及協議会と日本輸入チーズ普及協会は11月10日と11日の両日、東京渋谷区・恵比寿の「エビススc
  5. 全葬連第44回通常総会懇親会

    2019-5-22

    来年の国際葬儀連盟世界大会への準備推進 全葬連

    全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連、石井時明会長)は5月21日、第44回定期総会を都内で開き、来年6c
ページ上部へ戻る